by Roger Fritz
チューニングが定まらないギターほど、フラストレーションが溜まるものはないでしょう。もちろん、波長が合わないギターは論外ですが。チューニングに関する問題の多くは、一般のギタープレイヤーの方でも見つけだすことが出来、改善することができます。但し、もっと深刻な症状であれば、熟練のギターテクニシャン・技術者の専門技術の助けを借りることが必要になります。
以下では、チューニングに関して最もよくあるトラブルのうち数例をご紹介し、その解決策をお教えします。
ジャンク状態だったり、単純に使い古された状態の弦巻きの付いたギターをよく見かけます。交換用の弦巻きを買いに出る前に、がたがたの状態のねじ類やパーツ類を再度点検してみてください。
このきりきりとした耳障りな音は、ナット溝に対し張ろうとしている弦があまりにも太すぎる場合に生じます。弦を巻き上げてもきりきり、弦を緩めてもきりきりと音を発し、チューニングは定まりません。下記の3つの解決策をご紹介しましょう。
チューナーを使ってチューニングしGのコードを弾いてみましょう。どうにもこうにも全体の音程感が合っていないようです。次に、使用頻度ナンバーワンのDのコードも弾いてみましょう。やはり、音程感に難ありです。
このようなケースでは、お持ちのギターが各弦ごとに高さ調節可能なアジャスタブル・サドルを載せたブリッジを搭載している場合、調整により容易に解決できるでしょう。もしお持ちのギターがギブソン・チューン・オー・マチック・ブリッジを搭載しているならば(事実、ほとんど全てのギブソンのソリッドボディモデルやセミホローボディモデルに搭載)、電子チューナーを用意してコチラの記事をご参照ください(ギターのセットアップの基礎)。もしくは、ギターテクニシャンに調整を依頼するようにしましょう。
もし、固定サドルを搭載したアコースティックギターをお持ちの場合、この問題の解決法は、サドル上を削り各弦の載るポイントを前後に設定することになります。このアコースティックギターでのオクターヴ調整作業は、有能なリペアマンこそが適切に行える作業となり、有償リペア代金もある程度は覚悟しなければならないでしょう。
音程に関する問題での最悪のケースは、フレットの溝切り位置が不正確だったり、ブリッジの取り付け位置が誤っている場合などです。これらは稀なケースですが、現にそのようなケースも存在します。そのような場合、前述したような解決策を十二分に試みた後、プロのリペアマンにスケール測定ツール(直定規)でフレットの溝位置などをチェックしてもらう必要があるかもしれません。もしそのギターが保証期間内であれば、不幸中の幸いです。もし保証が切れてしまっていたら、プロのリペアマンの門戸を叩き有償のリペアを依頼することになります。
チューニングに関するトラブル事例の最後になりますが、これは中でも最も簡単な解決策です。もし張られている弦が古い感じがしたり、随分長い間張りっぱなしだと自覚されている場合、新しい弦に張替えチューニングがバッチリになったか確認してみましょう。