【ギブソン・ジャパン ギターテックによる ビギナー向けスタートアップガイド】第1回 エレクトリックギター弦交換編
今回の外出自粛期間中に家で過ごす時間が増え、ギターを始められた方も多いのではないでしょうか?
そこで、今回初めてギターを手にされたビギナーの皆様へ向け、ギブソン・ジャパンのギターテックによる、エレキ&アコギの簡単な弦交換の方法からアンプにつないで音を出すところまでの手順をシリーズにわたってご紹介します。
第1回 エレクトリックギター弦交換編
*GIBSONでは現在2種類の弦の巻き方がありますが、今回はビギナー向けの簡単な巻き方を採用しております。
実演:福嶋優太 (ギブソン・ジャパン プロダクト・テクニシャン)
使用楽器:Epiphone Les Paul Standard 50s(製品詳細に関しては下記ご参照ください)
手順
1. 弦交換に必要な工具について (0:19 – 0:37)
まずは弦交換に必要な下記の工具をご用意ください。
- 弦 : GIBSON エレクトリックギター弦 青色のパッケージ 10-46
- チューナー : 各弦をチューニングするのに使用します。今回はギターヘッドに取り付けるタイプのクリップ・チューナーを使用。
- ニッパー : 弦を切る時に使用します。最初はなるべく刃の大きいものを用意しましょう。
2. 切れた弦の取り外し方(1弦、4弦のみ使用)(00:37 – 00:44)
今回は、レスポールのギターヘッドの右側(1弦、2弦、3弦)と左側(4弦、5弦、6弦)から、それぞれ左右1本ずつ、1弦と4弦の2本が切れてしまったと想定して交換作業を行います。
3. ボディ側から1弦と4弦の取り外し方(00:44 – 1:11)
※弦の先端は尖っているので、ケガをしないように十分に注意しましょう。
まずはボディ側から各弦を外していきましょう。
弦の先端を引っ掛けている部分(テイルピースと呼びます)から1弦をゆっくり抜き取ります。(左写真)
外した弦は先端でけがをしない様に、丸めてまとまるようにしておきましょう。(右写真)
4. ヘッド側から1弦と4弦の取り外し方(1:11 – 1:30)
次にヘッド側に残っている弦を外していきましょう。
ヘッド側は弦が絡まっている事があるので、ケガをしないように尖っている部分に気を付けながら各弦をゆっくり外していきましょう。
5. ボディ側から1弦の取り付け方(1:30 – 1:50)
新しい1弦をテイルピースから弦を最後まで通して、先についている丸い留め金(ボールエンドと呼びます:写真③)が引っ掛かる様にしましょう。(写真①)
そして、弦をネックに沿ってまっすぐに伸ばします。その際に弦を乗せる部分(ブリッジのコマと呼びます)に、きちんと載るようにしてください。(写真②)
写真① テイルピース
写真② ブリッジのコマ
写真③ 弦のボールエンド
6. ヘッド側から1弦の取り付け方(1:50 – 2:58)
伸ばしてきた弦の先端を、穴に通します(巻き付ける部分をポストと呼びます)。
次に、弦を通したポストの次のポストの位置(2弦ポスト部分)で、弦を折り曲げて長さの目印を付けます。
1弦を折り目がついた部分を通した1弦ポストまで戻し、穴に引っ掛かる様にして、つまみ部分(ペグと呼びます)を反時計回りに回していきます。
【弦を張る時の注意】
- 弦の先端は尖っているのでくれぐれもケガをしないように注意しましょう。
- 弦を巻き込んでいく向きに注意しましょう。
- 巻いている最中に弦が緩まない様に、引っ張りながら(テンションをかけながら)巻いていきます。
- ポストから巻いている弦が順に重ならないように下に巻き付いていくようにします。
7. ボディ側から4弦の取り付け方(2:58 – 3:20)
1弦と同じようにまっすぐにならした新しい4弦をテイルピースに通し、ブリッジのコマにもきちんと弦を載せます。
8. ヘッド側から4弦の取り付け方(3:20 – 4:09)
まっすぐ伸ばしてきた4弦ポストの位置を指でつまんだまま、5弦のポストまで下げます。
下げた状態のまま、4弦のポストの位置で折り曲げて巻き付ける長さの目印をつけます。
そして、弦を4弦のポストに通し、折り曲げた部分が引っ掛かる様にして、ペグを反時計回りに巻いていきます。弦を巻く時のコツは1弦の時と同じです。
最後にもう一度チューニング前にナット(ヘッドとネックの境目にある弦を支える部分)と、ブリッジのコマに弦が正しい位置に載っているか確認しましょう。
9. 余分な弦を切る(4:09 – 4:48)
1弦、4弦ともに弦をある程度巻いて張りがある状態(テンションがかかった状態)になったら、各弦の余分な弦を切ります。なるべくポストの近くを切って、余分な弦が長くならない様に注意します。
これで弦交換は完了です。
*ギター弦の先端は尖っているため、弦を取り外す時および取り付ける時は、目に入ったり、指などを刺してケガをしない様に、十分に注意して行ってください。なお、弦交換中に発生した損失、損害について、当社では一切責任を負いかねますのでご了承ください。
使用ギター
名称 : Epiphone Les Paul Standard 50s
参考価格 : 79,000円
製品ページ(英語) : https://www.epiphone.com/Guitar/EPI8IH60/Les-Paul-Standard-50s/Heritage-Cherry-Sunburst
ギブソン正規販売店
ギブソン・ジャパン ギターテックによる ビギナー向けスタートアップガイド
第2回 アコースティックギター弦交換編
ギブソンについて
ギターブランドとして世界でアイコン的な存在であるギブソン・ブランズは、創業から120年以上にわたり、ジャンルを越え、何世代にもわたるミュージシャン達や音楽愛好家のサウンドを形作ってきました。1894年に設立され、テネシー州ナッシュヴィルに本社を置き、モンタナ州ボーズマンにアコースティックギターの工場を持つギブソン・ブランズは、ワールドクラスのクラフツマンシップ、伝説的な音楽パートナーシップ、楽器業界の中でもこれまで他の追随を許さない先進的な製品を生み出してきました。ギブソン・ブランズのポートフォリオには、ナンバーワンギターブランドであるギブソンをはじめ、エピフォン、クレイマー、スタインバーガー、ギブソン・プロオーディオのKRK システムなど、最も愛され、有名な音楽ブランドの多くが含まれています。ギブソン・ブランズは、何世代にもわたって音楽愛好家がギブソン・ブランズによって形作られた音楽を体験し続けることができるように、品質、革新、卓越したサウンドを実現していきます。