Gibson Tuning Tips

チューニングの秘訣

多くのギタープレイヤー達から聞こえてくる共通の悩みのひとつは、ギターのチューニングが安定しない、ということです。たいていの場合、この問題への解決策は、ちょっとした予防的なメンテナンスだったり、適切なセットアップや弦の巻き方などシンプルな内容です。チューニングに起因する問題の解決に向けた最も平易で理に適った方法は、単純に弦の端から端までの軌道を確認し、弦と相互作用する各々の要素の状況を点検することでしょう。


  1. チューニングマシーン:もしチューニングマシーンが回しづらかったり、壊れていたり、ギヤが空回りしてスリップしてしまう状況の場合、迷わずに新しいチューニングマシーンと交換しましょう。交換の際、くれぐれもチューニングマシーンの止めナットや止めねじをしっかりと締めるよう確認しましょう。

  2. トラスロッド:不適切に調整されたトラスロッドは、ギターのネックのいたるポジションで音程感が合わないという事態を惹き起こします。トラスロッドの調整は、ギターの扱いに熟練した方にお任せしたほうが無難です。不慣れなトラスロッド調整作業の末にトラスロッドを折り、トラスロッドの交換のために数百ドルを費やすことに比べたら、腕利きのギターテクニシャンに有償であってもセットアップを依頼する方が遥かに安心です。

  3. ナット:チューニングの最中に“キンキン”と高いピッチで鳴る音がしたら、それはナットの溝が狭すぎるために弦が動きづらい状況だということです。もし第一ポジションである1フレットでの音程やコードの音程が合っていない場合、ナット上の弦の溝が十分な深さで掘られていない可能性が高いです。その場合、弦は接地すべきフレットから遠く離れた状態で張られており、そのため調子外れの状況となります。これらの症状は、腕利きのギターテクニシャンの手にかかれば、容易く修理・調整されるでしょう。また、ナット向けの潤滑油のような製品に関しても容易に入手可能ですし、弦が挟まってしまい動きの円滑さが失われてしまう問題への対応策となり得ます。

  4. フレット:もしフレットが一様の高さを保てておらず凸凹していたり、フレットの山の整形が適切に処理されていない場合、そのギターの音程感は損なわれてしまうでしょう。極端な例では、あるポジションの音程が、隣接する1フレット分高い音程で鳴ってしまう場合もあります。

  5. ピックアップ:時にピックアップを弦にあまりにも近づけすぎた場合、ピックアップのマグネットが弦をたぐり寄せるという現象が起こり、これにより音程感が合わなくなることがあります。このよう場合、サステインも減退します。はじめは推奨されるピックアップの高さで調整してご使用いただくことが望ましいですが、是非皆様の耳を頼りにベストなピックアップの高さを探っていただくことをお勧めいたします。

  6. ブリッジ:あまりにも低く、もしくはあまりにも高くブリッジ位置を調節しなければ理想的な弦高を稼げないブリッジの場合、そのギターにはネックのリセット(正しいネック角でのネックの再取り付け)が必要な可能性が高いです。不適切な角度で取り付けられたネックは、ギター全体で音程感が合わないという問題を惹き起こします。ブリッジやサドルの調整については、適切なストロボチューナーや電子チューナーを使用してしっかりと音程を調整してください。

  7. テイルピース:ストップテイルピースかもしくはトラピーズテイルピース仕様のギターの場合、ブリッジ後方の弦がブリッジの後方部と接することのない程度に、十分にブリッジ上で弦のアングルが稼げた状態でテイルピースの位置決めをすると良いでしょう。

  8. 弦:十分にクオリティの高い弦を張ってください。下記の図のようにストリングポストに弦を通し巻きつけてください。ストリングポストのまわりに2~3回転巻きつけるのがちょうど良いです。弦を張る際、音程感がでてきて弦がピンと張られてくるまでは、弦を引っ張り上げテンションをつけながら弦を巻き上げてチューニングしてください。

上記の内容を実践いただけましたら、多くのチューニングに起因する問題はクリアできるでしょう。