Tuner Replacement

チューナー・弦巻きの交換

by Roger Fritz

もし、チューナー・弦巻きの交換をすることになったのならば、新品の弦巻きを購入する前に、こちらのリンクに挙げられた注意点をご確認ください。

  • 弦巻きの止めネジの穴位置を確認しよう。もし一段上のグレードの別のタイプの弦巻きへと交換される場合、もともとの弦巻きと全く同じネジ穴の位置を持つタイプの弦巻きに交換をされた方が良いでしょう。弦巻きを付け替えるギターがヴィンテージギターであったり、将来的にそのギターがヴィンテージギターとして価値が生じることを期待されるなら、尚更のことです。

  • チューナーの重さを確認しよう。弦巻きの重さはそれぞれ機種により僅かながら異なります。しかしその僅かな違いにより、場合によってはギターの重量バランスを不安定なものにしかねません。

  • ギア比を確認しよう。弦巻きは機種によりそのギア比はさまざまです。(ストリングポストを1回転させるために弦巻きのつまみを回さなければならない回転数のことです) 例えば、12回転で1回転、16回転で1回転などです。基本的にはギア比が高ければ高いほど、より厳密なチューニングが可能になります。但し実際には、クオリティの低い弦巻きの場合、いかにそのギア比が高かろうがクオリティの低さは変わりません。もし今まで使用されてきた弦巻きに満足されているようでしたら、同じギア比のタイプで検討された方がよいでしょう。

さて本企画では、実際にEpiphoneの12弦ギターの弦巻きをミニグローヴァーに交換してみることとしました。必要な工具類は下記となります。

  • 小型のプラスドライヴァー
  • 小型のマイナスドライヴァー
  • 小型のハンマー
  • 中型のテイパード・ハンドヘルド・ホール・リーマー(A tapered hand-held hole reamer)
  • ナットドライヴァー(11mm)

取り付ける弦巻きによっては小型ドリルが必要になる場合もあります。

(注: 当ページは弦巻き交換における方法論の情報開示を主旨として公開しています。ヘッドの弦巻き用の穴を広げるような木工に関わる改造作業は、本来、プロのリペアマンが行うべき修理作業となります。もしご自分でトライされる場合、その作業内容や仕上がりの状況について、予め自己責任の原則をご理解いただきますようお願いいたします)

 

手順その1:弦巻きの裏側のプラスネジを取り外し、元々ついている弦巻きを外します。


手順その2:今回のケースでは、もともとついていた弦巻きはプッシュイン・ブッシュ仕様であり、これから交換するミニグローヴァーではそのプッシュイン・ブッシュは不要となります。そのため、先ず注意深くブッシュを取り除く必要があります。ヘッド部に施された塗装をチップさせることなくこの作業を行うには、小型のマイナスドライヴァーと小型のハンマーを使用します。弦巻きの穴の後ろ側から、ブッシュの端のところに当たるようにドライヴァーを差込み、ハンマーでドライヴァーを軽く叩きます。ブッシュの両側を均等に軽く叩いていき、ブッシュが抜け落ちるまで行います。場合によっては、手でブッシュを抜き取れるほど緩かったり、弦巻きを取り外したら同時にブッシュも抜け落ちる場合もあります。


手順その3:これから取り付けることになるグローヴァーチューナーは、予めネジ切りされているブッシュを弦巻きのギア箱の一体成型部にねじ込むタイプです。多くの場合、グローヴァーのギア箱はたいていの弦巻きのギア箱よりも僅かに大柄になっています。そのため、ホール・リーマーを使ってヘッドの弦巻き用の穴の直径を広げる作業が必要となります。

多くの場合、この作業はへッドストックの裏側から行われるべきです。もし、新たに取り付けるネジ切りされたブッシュがヘッドストックの表側から弦巻きの穴に入り込んでいかない場合、そのような場合は表側からもリーマーで穴を広げるよう作業が必要となります。今回の作業では、表側からの作業は不要でした。優しく少しずつリーマーを回転させ、新しく取り付ける弦巻きとのフィット感を何度も確認します。新しく広げられた穴を通して弦巻きがぴったりとフィットするようになるまでこの作業を繰り返します。今回は12弦ギターですので、12箇所のホールで同様の作業を行いました。

手順その4:新しい弦巻きを取り付けます。そして表側からネジ切りされたブッシュを手作業でねじ込みます。そして弦巻きの向きを揃えます。今回のケースでは、新しく取り付けるグローヴァーチューナーはもともとついていた弦巻きよりもネジ穴の数が1つ少ない仕様になっていますが、もともとのネジ穴の位置はグローヴァーのネジ穴の位置とぴったりと合っています。但し、取り付ける弦巻きの種類によっては、取り付けネジの位置の違いにより、新しいネジ穴のためにドリルを使って下穴を設ける必要があるでしょう。最初に下穴を開けることなく、一気にラッカー層から木部まで取り付けネジをネジ込むことは避けてください。ラッカー塗装がチップしたり、場合によっては木部のクラックを惹き起こす危険性があるためです。小型のプラスドライヴァーを使い慎重にねじ込んでいきます。

手順その5:11ミリのナットドライヴァーを使用し、ネジ切りされたブッシュを表側から軽く締め込みます。


手順その6:弦を張り、さあ完成です!