ギブソンの名器を使いこなす、奥田民生氏のギタリストとしての側面
数々のヒット曲を持ち、プロデューサーとしての手腕、マルチプレイヤーの実力が高く評価されている、人気ミュージシャンの奥田民生氏。一度でもライブを観た方であれば、ギターを弾くだけで自身の世界を作れる、卓越したギタリストであるということに異論はないでしょう。特にスティーブ・ジョーダン、ピノ・パラディーノ、ダニー・コーチマという、世界で活躍するトップ・プロの中で、存在感のあるプレイで応えたヴァーブスのツアーは、それを広く知らしめました。
トレードマークである1959年製のサンバースト・レス・ポール、レス・ポール・スペシャル、フライングV、SG、ES-330、ES-335、J-45、B-25、CF-100Eといった、ギブソンの名器の数々を、どれも最高の音色で使いこなすとなると、それは完全にテクニックの領域になります。ステージでのギターの持ち替えは、それぞれの楽曲に合わせて、各ギターのトーンの最も良い部分を活かしたサウンド・メイキングをしているのであり、それを体感できるのが奥田氏のライブの醍醐味と言えます。曲間は多くを語らず、独自の脱力感で会場を和ませますが、曲中は熱を帯びた演奏でショーマンとして魅せるところはキッチリ魅せ、さらにライブならではのアドリブによるギターソロは、観るものを黙らせるプレイとサウンドで圧倒します。となれば、数々のヒット曲を持つ人気、ギタリストとしての実力、若手を牽引する音楽シーンにおける影響力といった、ギブソン・シグネチャ・アーティストとしての条件を全て満たしているということは言わずもがなであり、エピフォンも含む数々のシグネチャ・モデルがリリースされるのも必然と言えます。
奥田氏は、楽器全般についてかなり造詣が深く、ツアーの合間には楽器店に立ち寄り気になる機材を自らチェックしたり、自身の機材についても、理想に近づけるためにネックやカラーをカスタマイズしたり、ピックアップを交換するなど強いこだわりを持っています。更に、所有する貴重なヴィンテージから現行品まで、それぞれの良いところを公平に評価して、最も適した現場に投入する確かな選択眼は、まさしくプロギタリストならではのものであり、またギターへの深い愛情を感じさせます。
本人の所有する1959年製のサンバースト・レス・ポールを復刻したCollector’s Choice #29 Tamio Okuda 1959 Les Paulのもとになった9 1165は、数々のレコーディングやライブで使われてきた日本で最も有名なバーストの1本です。
この9 1165のクローンを製作するプロジェクトでは、貴重なヴィンテージを借りて、ネックシェイプ、各パーツ、傷の具合まで1日がかりでデータ収集をしました。プロトタイプを製作する場合、トーンについては、レコーディング、ステージともに即戦力となること、プレイアビリティについては、ヴィンテージと持ち替えても違和感無く使えること、ルックスについては雰囲気、風合いといった五感に訴えるレヴェルの部分まで、いかに理想に近づけられるかということが課題になります。ネックはデジタル・データ化したものをプログラムして、マシンで大まかにサンディングを行いますが、さらにヴィンテージの角の落ちたフィーリングにするために、クラフツマンのハンド・シェイピングで仕上げを行い、フィーリングを本人に確認してもらいました。
交換されているパーツなども、そのアーティストの所有器たらしめる部分ですので漏れなくチェックしていきます。
ルックスの再現で重要なエイジングでは、数百枚の写真を撮り、オリジナルの傷をもとにしたテンプレートを作成し、それにならい塗装を加工していきます。
ピックアップは、ヴィンテージ・トーンを基本としながらも、オールマイティに使える57クラシックがリクエストされました。様々な機材や多様なシーンにおける実用を考慮した、玄人的な選択と言えます。
9 1165のオリジナルは、今でも頻繁にライブで登場します。奥田氏のライブは、ヴィンテージ・サンバースト・レス・ポールのトーンを体感できる、その真骨頂を発揮する控え目のゲインの生々しいサウンドで聴ける貴重な機会でもあります。
今年2018年10月13、14日には、バンドでのステージと、ひとり股旅という異なる構成の武道館2 daysが控えており、そのパフォーマンスはもちろん、どのようなギターが登場するのか目が離せません。
奥田民生オフィシャルサイト
http://okudatamio.jp/
ラーメンカレーミュージックレコードサイト
http://rcmr.jp/
RCMR Official YouTube Channel
https://www.youtube.com/channel/UCOT0TR3eb6KEk9UFADSN-2w
製品リンク(生産完了)
http://www.gibson.com/Products/Electric-Guitars/2015/Custom/CC-29-Tamio-Okuda-1959-Les-Paul.aspx
ギブソンについて
ギターブランドとして世界でアイコン的な存在であるギブソン・ブランズは、創業から120年以上にわたり、ジャンルを越え、何世代にもわたるミュージシャン達や音楽愛好家のサウンドを形作ってきました。1894年に設立され、テネシー州ナッシュヴィルに本社を置き、モンタナ州ボーズマンにアコースティックギターの工場を持つギブソン・ブランズは、ワールドクラスのクラフツマンシップ、伝説的な音楽パートナーシップ、楽器業界の中でもこれまで他の追随を許さない先進的な製品を生み出してきました。ギブソン・ブランズのポートフォリオには、ナンバーワンギターブランドであるギブソンをはじめ、エピフォン、クレイマー、スタインバーガー、ギブソン・プロオーディオのKRK システムなど、最も愛され、有名な音楽ブランドの多くが含まれています。ギブソン・ブランズは、何世代にもわたって音楽愛好家がギブソン・ブランズによって形作られた音楽を体験し続けることができるように、品質、革新、卓越したサウンドを実現していきます。