#10 Mega Shinnosuke「エピフォン・カジノに感じる、人間力を上回るパワー」

 

創業者ファミリーの故郷・ギリシャで、「共鳴」を意味する言葉にも通じるEpiphone(エピフォン)。創立150周年を迎える2023年、この時代に鳴り響くエピフォンの「サウンド」を伝えるため、数々のエピフォン・プレイヤーが登場する「THE SPECIAL COVERS」を展開します。「共鳴・反響」「重なるサウンド」「夢を受け継ぐ」というブランドテーマに沿ったスペシャルインタビュー。第11回目は、Mega Shinnosukeさんが登場。17歳で人生2曲目のオリジナル楽曲『O.W.A.』をYouTubeで発表以来、独自の音感・語感・美感で注目を集め続けるシンガーソングライター&クリエイター。今回は、愛器のエピフォン・カジノと巡り合うことになる、音楽とギターの始まりからたずねました。

 

[共鳴・反響] 僕の歌を聴いてくれる人がいるのは人生の奇跡

――愛用のエピフォン・カジノを携えてきていただきましたが、ご自身の音楽人生の始まりにもギターが存在していましたか?

今に至るきっかけになったのは、中学生の頃、祖母に買ってもらったギターでした。その当時のクラスメートがギターを弾きながら歌う動画をSNSに上げてチヤホヤされて、「オレも」とやってみたんですが、何かハマらなかったんですよね。より直接的な音楽の始まりになったのは、高校2年生の文化祭でした。先輩のバンドに誘ってもらって、1度だけ演奏したんです。その先輩バンドは校外でも活動していたので見に行ったら、何かによく似ているのにオリジナルを謳っていて。なのに皆がチヤホヤする。これなら自分のほうがカッコいい曲を制作できると思って楽曲をつくり始めました。ギターも楽曲制作も習慣化すれば実現できるとわかっていたので。

 

――周囲への反発が原動力になったのでしょうか?

反発ではないですね。僕が幼いときからずっと感じ続けているのは、同世代の感性とのズレです。皆がおもしろいというものがおもしろいと思えない。皆がいいと思う音楽は、売れていて、有名だからという評価が軸になっている気がしていて。僕にはそれが理解できなかった。だから今も有名になりたいとは思いません。日本で有名になるのって、音楽を理解してもらえた証ではないから。それに、顔バレしたら大衆居酒屋に行きづらくなる。それは、僕が望むライフスタイルに合わないんです。

――そうした周囲とのズレを音楽で訴えるのがご自身の手法ということですか?

他人に向けて訴えたいとか伝えたいとか、そういう気持ちはないですね。むしろ自分の考えや思いは、意図的に自分に向けているというか。真理の解釈が早い性質なので、世間とのズレに対して正しいことを言いがちなんです。けれど、この社会でそれを口にすると嫌われる…。アーティストになれて実感しているのは、どこにも属していない立場から自分が思う正しいことを、発言できる魅力です。僕の歌を聴いてくれる人がいて、さらに、より共鳴してくれるファンまでいる。これこそ人生の奇跡だと思っています。

 

 

[重なるサウンド] 人が奏でるギターサウンドにはウソ臭さがない

――お持ちのエピフォン・カジノを改めて紹介してください。

これは昨年買った2本目のカジノです。1967年製ですね。

――ヴィンテージを購入されたのはなぜですか?

学生時代から古着が好きだった影響が大きいですね。このストラップもヴィンテージです。いいデニムを1本持っていたいという思いと同じで、ひとまず現時点でこれ以上求めなくてもいいギターにしたかった。その結果がこのカジノです。2本続けてカジノを選んだのは、この薄さでフルアコなのと、僕の体格に合ったサイズで圧倒的に軽いから。肩凝り性なので、ライブで弾くならボディが軽量だと最強です。

 

――特に気に入っているところはどこですか?

まずは赤の色目です。それから、時間の経過が見てわかるボディの質感。塗装が剥がれていたり、最初は白かったはずの縁が黄ばんでいたりするのはヴィンテージならではのカッコよさです。50年以上も前の1967年製であれば、間違いなく今日までの間にいろんな人の歴史がボディに染み付いていますよね。僕は潔癖症でハウスダストも苦手なのに、このカジノといっしょならステージに立てる。信じられないくらいアドレナリンが出ているから。それが音楽の力で、自分の中の無駄なマイルールをすっ飛ばしてくれるんです。ファッションやアートもそうですが、優れた作品は僕の人間力なんか軽く上回るんですよね。このカジノもそのパワーを感じさせてくれるところが最大の魅力です。

 

――ギターで曲づくりをしますか?

けっこう多いですよ。iPhoneに向かって、何となく弾きながら歌って録音して。そこに電子ドラムを被せて、デモをつくるケースもよくあります。けれど、いまだに上手に弾けないですよ。元からギターの練習が面倒臭くて、最初からコピーをすっ飛ばしてオリジナルをつくったくらいですから。ただ、打ち込みでは再現できない人間らしさがあるから、ギターサウンドはメチャクチャ好きです。少し前に坂本慎太郎さんのライブを見て、やはりギターは、人が奏でているなあって強く感じたんです。個性が出るんですよね。音量はマスタリングで調節できても、音圧にこだわって弾いているのが伝わってくる。そこにはウソ臭さがないから信頼できる。なんだかんだ言ってロックカルチャーが好きなので、僕の音楽にもギターは欠かせません。

 

 

[夢を受け継ぐ] 音楽ができるのはそんなに凄いことじゃない

――Mega Shinnosukeさんに憧れてギターや音楽を始める人に向けて、メッセージをいただけますか?

よく、「音楽を始めたいのですが、どうしたらいいですか」というような質問をDMでいただくことがありますが、始めたいなら始めてみればいいとしか答えようがないんです(笑)もっと自分の感性を大事にしたらいいと思う。僕は、音楽ができることがそんなに凄いことだと思っておらず、苦手に感じていた食べ物を食べたら実は美味しかったというようなそれくらいの感覚なんです。ギターがやりたいなら、挑戦したらいいんです。

 

――誰にでも音楽はできると?

そうですね。ただ、自分をトータルで俯瞰して、向き不向きを判断する感性も大事です。音楽は誰にでも始められるけれど、簡単ではないですから。ギターがまさにそうで、すぐに弾ける楽器じゃない。指は痛くなるし、コードを覚えるのも大変です。それを乗り越えて音楽ができる人と、そうではない人がいるのも当然だと思います。もちろん音楽ができれば楽しいから、僕はやっている。でも、自分で楽器が弾けなかったとしてもライブに行って他者の音楽を聴けばいい。そうした判断も、もっとライトに考えていいんじゃないかと思います。

――2023年11月1日に最新アルバムの『ロックはか゛わ゛い゛い゛』がリリースされました。どんな内容ですか?

全11曲でどれも短いです。2コーラス目をつくるのが面倒で、つくらなかったら、それがすごくよかったんです。そして、今後もうないかもしれないくらい、全曲乗れるビートなんです。毎回新しいことに挑戦したいと思っていますが、世間は新しいものに気づくのに時間がかかります。だから、たとえば最初の一口は皆がよく知っているBBQ風味にしておいて、噛みしめるうちに新しさの芯にたどり着いてもらう。それがこの時代で新しさを証明する手段になると思うんですよね。それを達成させるには、自分が思っているこの世界にそもそも少ない一番いいものを詰め込む。「青空」とか「犬」とか、「よく眠れた朝」とか。そういう要素を今回のアルバムに入れました。

 

Text:田村十七男
Photo:大石隼人

Profile

 

 

Mega Shinnosuke (メガシンノスケ)
2000年生まれの22歳。本名。東京生まれ福岡育ち。2019年4月より東京在住。
作曲、作詞、編曲、アートワーク、映像製作プロデュースを全て自身で行う。


2017年秋よりオリジナル楽曲の制作をスタート。
2019年6月に1st E.P.「HONNE」、12月には「東京熱帯雨林気候」をリリース。
その後も配信シングルをコンスタントにリリースし、
2021年FUJI ROCK FESTIVAL’21に出演、
秋にはアルバム「CLUTURE DOG」をリリース。
初の全国TOUR『CLUTURE DOG TOUR』を6都市7公演開催。
2022年ダンスミュージックをメインとしたE.P.「ハンサムなDANCE」をリリース、
夏にはSUMMER SONIC 2022に出演。
2023年にはアルバム「2100年」をリリースし、ワンマンツアー『2100』も開催。
毎年数々のイベント、フェスにも出演している。


自らの楽曲のリリースも重ねる中、
日本テレビ×Hulu共同製作ドラマ「君と世界が終わる日に」の主題歌
菅田将暉さんが歌う『星を仰ぐ』の作詞、作曲を担当。
その他にも私立恵比寿中学、入野自由さんなど数々のアーティストへの楽曲提供、
客演の参加も行なっている。

フットワークの軽さとコミュニケーション能力、
時勢をキャッチするポップへの嗅覚を武器に、
クリエイティブの部分全てをセルフプロデュースで行う。

好きな乗り物はダントツで自転車。
ドン・キホーテの1万円のママチャリで今日も渋谷センター街を爆走している。
新世代のアーティスト。
HP:https://megashinnosuke.com/

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ギブソンについて

ギターブランドとして世界でアイコン的な存在であるギブソン・ブランズは、創業から120年以上にわたり、ジャンルを越え、何世代にもわたるミュージシャン達や音楽愛好家のサウンドを形作ってきました。1894年に設立され、テネシー州ナッシュヴィルに本社を置き、モンタナ州ボーズマンにアコースティックギターの工場を持つギブソン・ブランズは、ワールドクラスのクラフツマンシップ、伝説的な音楽パートナーシップ、楽器業界の中でもこれまで他の追随を許さない先進的な製品を生み出してきました。ギブソン・ブランズのポートフォリオには、ナンバーワンギターブランドであるギブソンをはじめ、エピフォン、クレイマー、スタインバーガー、ギブソン・プロオーディオのKRK システムなど、最も愛され、有名な音楽ブランドの多くが含まれています。ギブソン・ブランズは、何世代にもわたって音楽愛好家がギブソン・ブランズによって形作られた音楽を体験し続けることができるように、品質、革新、卓越したサウンドを実現していきます。

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