
創業者ファミリーの故郷・ギリシャで、「共鳴」を意味する言葉にも通じるEpiphone(エピフォン)。創立150周年を迎える2023年、この時代に鳴り響くエピフォンの「サウンド」を伝えるため、数々のエピフォン・プレイヤーが登場する「THE SPECIAL COVERS」を展開します。「共鳴・反響」「重なるサウンド」「夢を受け継ぐ」というブランドテーマに沿ったスペシャルインタビュー。第6回目は、海外と日本をボーダレスに駆け巡る活動に大注目のオルタナティブ・ロック・バンド『DYGL(デイグロー)』から、ボーカル・ギターの秋山信樹さん、ギターの下中洋介さん、ギター・ドラムスの嘉本康平さんが登場。メンバー各自のエピフォンが1枚の写真に納まるのは、今回が初めてだそうです。
[共鳴・反響] メンバー全員がエピフォン・プレイヤー
――まず、それぞれのエピフォンとの出会いを教えてください。
秋山信樹(以下、秋山) 2006年くらい、13歳か14歳のときに初めて買ったエレキがこのLes Paul(レスポール)です。BUMP OF CHICKENが好きで、ボーカル・ギターの藤原基央さんが当時弾いていた、黄色いレスポールに近いモデルを探していたら、よく似た色のエピフォン・レスポール・カスタムと出会いました。これで何曲もつくったし、最初のバンドのライブでもたくさん弾きましたね。
あるとき、ふと思いついてボディを赤色に塗りました。スイッチ類も自分で探したものに換えたりしています。手を加えた分だけ思い入れが深いので、いまだ手放せない大事な1本です。


下中洋介(以下、下中) 僕のCasino(カジノ)は2016年製です。元々セミアコ系に憧れていたので、P-90ピックアップは1本欲しいと思っていました。赤を選んだ理由は、Suedeというバンドのバーナード・バトラーが使っていた赤のES-335TDCがカッコよかったからです。
ライブで弾くよりは家で弾くことのほうが多いです。アンプを通さなくても、音が鳴るホロウボディがとても良くて、曲をつくる人には合っていると思います。


――嘉本さんのギターは、お二人とは異なるタイプですね。
嘉本康平(以下、嘉本) このwilshire(ウィルシャー)は、ビジュアルが気に入って7~8年前に購入しました。最初は見た目で決めたのですが、実際に弾いてみると、とてもいい音で。詳しいことを知らないまま買ったものの、後で調べたら日本製と判明しました。


――バンドではドラム担当ですが、ギターも弾かれるんですか?
嘉本 最近になってギターに戻り始めたんです。というのも、この3人でバンドを組んでいたときは全員ギターを弾いていました。DYGLになって初めてドラムを叩いたので、今も自分はドラマーではないという自覚があるんです。DYGLの音楽性の変化によって、ようやく元の形に近づいている気がします。
秋山 ドラムとギターをどちらもやっている人は、僕らも他であまり聞かないですね。
下中 両立できるという意味では、二刀流と言えなくもないよね。
嘉本 個人的にはギターのほうがいいかな。ウィルシャーがいてくれるし。このギター1本あれば十分なんです。
秋山 今回参加できませんでしたが、実はベースの加地洋太朗もカジノを持っているんです。メンバー全員がエピフォンユーザーですね。
[重なるサウンド] このギターでしか鳴らせない音がある


――DYGL全員がエピフォン・オーナーというのもユニークですね。そこで改めてお聞きしますが、エピフォンの魅力はどんなところですか?
秋山 価格的に手に入れやすいのは大きいですよね。初めてのエレキでエピフォンのレスポールを買ったのも、それが一つの理由です。とはいえ、その後何本も買い替えられるわけではないので、ずっと大事にできるものにしたかった。エピフォンは音楽を始めたいと思った人が買いやすいだけでなく、プレイアビリティも高いところが魅力です。もし最初にエピフォンを手にしていなかったから、その当時書けた曲が書けなかったかもしれませんね

下中 カジノであれば、カジノでしか鳴らせない音があるし、その音が欲しいから手に入れる。そこがとても重要で、古いモデルから現行モデルまで、いろんなアプローチを用意してくれているのがエピフォンだと思います。

秋山 歴史的に間口の広さを保ち続けているんだと思います。そこにブランドの哲学を感じますね。
嘉本 僕が持っているウィルシャーにも、このギターにしかない形状とサウンドがあって、個人的には親しみやすさを感じるんですよね。すごく近い存在なのがうれしい。そして、スイッチの切り替えでいろんな音が出せるので、自宅でデモをつくるときもこれ1本で完結します。

秋山 カモちゃん(嘉本さん)の家に行くと、いつもこのギターが出てくるもんね。
――ライブなど嘉本さんがギターを弾く場面が増えるとなれば、DYGLのサウンドは一層ギター中心になりそうでね。
秋山 そうかもしれません。やはり、ギターは音がカッコいいですよね。自分が好きだと感じる音楽にはギターが入っていることが多くて、ギターの音を聴くと自然とテンションが上がります。昔は無意識すぎて気づけなかったその事実に、今は改めて注目しています。
下中 特にギターはヒーロー的存在ですからね。フィジカルとつながっているのも魅力です。家で小さく弾いても、ステージで大きい音で鳴らしても、その振動がネックから伝わって体に響くところがすごく好きです。
嘉本 僕はギターという制限の中に自由があるところが好きですね。弦は6本しかないけれど、チューニングは好きに変えられるじゃないですか。仮にバレーコードが押さえられなくても、他に鳴らす方法がある。そこに個性の出し方がありますよね。

[夢を受け継ぐ] ギターがあれば毎日に意味が持てる
――DYGLに憧れてギターを始めたいという人がたくさんいると思います。そんな方々に向けてメッセージをいただけますか?
嘉本 ギターは自由だと言いましたが、とにかく楽しんでもらえればいいと思います。それをできるのがギターの魅力ですから。まずはそこにあるギターを手に取ってみてください。
秋山 たまたま僕らが先に音楽を始めていただけで、今から音楽を始めたい人に偉そうに何かを言いたくないのですが、少なくとも僕の場合は今自分の人生に起きているほとんどのことが音楽をきっかけに与えられたことなんです。もしかしたらみなさんにとっても新しい経験や出会いのきっかけになるかもしれません。練習方法もYouTubeで無限に見つかるし、上手にならなかったとしても、自分の部屋でギターを弾くだけで特別な気持ちになれることもある。ギターでも絵でも運動でも、やりたいと思ったことは何でもやってみてほしいです。
下中 ギターを始めたと話すと、いろいろ言ってくる人が増えると思うんですよね。僕もその一人になりかねませんが、やっぱり秋山が話したように、自分で好きなものを見つけて没頭するのは凄く楽しいことなので、可能な限り突き詰めてもらえたらいいですよね。

――最後に、今後のDYGLの活動予定を教えてください。
秋山 日本とアメリカのツアーが終わったので、この後は曲をたくさん制作します。できれば、今年の後半から来年にかけて、アジアとヨーロッパのツアーに行きたいですね。とにかく、僕らが楽しいと思えることをひたすら繰り返していきます。
嘉本 僕もたくさん楽曲を制作したいです。その時はウィルシャーに活躍してもらいます。そして、コロナで外に出られなかった分、ライブなどで取り戻していきたいです。
下中 二人と同じで、いい曲をつくり、いいライブをして、出会えた人たちと友達になっていく。これがバンド活動の目的の根底にあると思います。
――やはり海外での活動は今後も増えていきますか?
秋山 「日本」と「世界」というように、分けて考えたくなくて。そもそも制限する必要もない気がしています。海外に出たかった理由は色々ありますが、あるタイプの情感を好きだと思える人はそれぞれの国にいたりするので、日本も含め、世界中にいる僕らの音楽を求めてくれている人に届いたら嬉しいですね。
数年前、幸運にもニューヨークでお会いできた坂本龍一さんの言葉が印象的で、「たとえば100万人の理解者を得ようとするなら、母国だけで100万人のファンをつけるより、各国で10万人ずつ深く理解してくれるファンをつけるほうが、表現を無理に変えずに済むこともある」と仰っていました。バンドメンバー全員でうかがったその話は、今でも参考にしています。

Text:田村十七男
Photo:横山マサト
Profile

DYGL (デイグロー)
2012年に大学のサークルで結成。アメリカやイギリスでの長期滞在を通じて多くの音楽ファンを魅了している全編英詩のギターロックバンド。洗練されたサウンドと鮮烈なパフォーマンスは、国内外を問わず高い評価を受けている。1stアルバムはAlbert Hammond Jr. (The Strokes)がプロデュースし、期待のインディロックバンドとして多くのメディアの注目を集めた。2ndアルバムは2019年にリリースされ、約6ヶ月に及ぶ53都市のアルバムツアーを遂行。日本のみならず北京、上海、ニューヨークでチケット完売となる快挙を達成。そして、3rd アルバム『A DAZE IN A HAZE』は「Sink」や「Half of Me」といった話題楽曲が収録された万人に愛される作品となった。昨年2022年には、自ら手がけた完全セルフプロデュースの『Thirst』が世界中で大きな反響を呼び、タイ・Mahorasop Festivalに出演そしてUSツアーを行った。
HP:https://dayglotheband.com/
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ギターブランドとして世界でアイコン的な存在であるギブソン・ブランズは、創業から120年以上にわたり、ジャンルを越え、何世代にもわたるミュージシャン達や音楽愛好家のサウンドを形作ってきました。1894年に設立され、テネシー州ナッシュヴィルに本社を置き、モンタナ州ボーズマンにアコースティックギターの工場を持つギブソン・ブランズは、ワールドクラスのクラフツマンシップ、伝説的な音楽パートナーシップ、楽器業界の中でもこれまで他の追随を許さない先進的な製品を生み出してきました。ギブソン・ブランズのポートフォリオには、ナンバーワンギターブランドであるギブソンをはじめ、エピフォン、クレイマー、スタインバーガー、ギブソン・プロオーディオのKRK システムなど、最も愛され、有名な音楽ブランドの多くが含まれています。ギブソン・ブランズは、何世代にもわたって音楽愛好家がギブソン・ブランズによって形作られた音楽を体験し続けることができるように、品質、革新、卓越したサウンドを実現していきます。
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