#3 角舘健悟「僕にしか鳴らせないソレントの音がある」

 

創業者ファミリーの故郷・ギリシャで、「共鳴」を意味する言葉にも通じるEpiphone(エピフォン)。創立150周年を迎える2023年、この時代に鳴り響くエピフォンの「サウンド」を伝えるため、数々のエピフォン・プレイヤーが登場する「THE SPECIAL COVERS」を展開します。「共鳴・反響」「重なるサウンド」「夢を受け継ぐ」というブランドテーマに沿ったスペシャルインタビュー。第4回目は、アジア各地でのツアーの成功など、海外での活動も精力的に行っているYogee New Wavesのボーカル&ギター・角舘健悟さん。バンド結成当初に出会い、現在に至るまで常に傍にあった愛器、エピフォンのソレントを携えての登場となりました。

 

[共鳴・反響] バンドでしか昇華できない音楽表現の衝動

――初めに、角舘さんの音楽原体験を教えてください。

Yogee New Wavesを組むまで、実はずっとドラマーだったんです。3歳から高校生までパーカッションを習っていて、打楽器を叩いて響いた音に感情を乗せることを最初に教わりました。頭で考えるよりも先に、感覚的なリズムを音で表現したことを覚えています。

――角舘さんの場合、音楽の最初にリズムやビートがあったわけですね。それはギター・プレイに生きましたか?

大いに影響があったと思います。パーカッションから入ったおかげで、多くの楽器は打って鳴るものだと意識していました。その意識を前提としてギターに触れていたので、様々な演奏法に対しても体の中で反響するリズムとシンクロし、自然に浸透していきました。

 

 

――初めてギターに触れたのはいつ頃だったのでしょうか?

6~7歳の頃、家にあった父のアコースティックギターを触ったのが最初です。打楽器とは違い、いきなりメロディックでサスティーンの長い音が出ることに感動しました。それから3年後くらいかな。毎日、そのアコースティックギターと乾電池を使ってスライドギターの真似をして、ディープ・パープルの『Smoke on the Water』ばかり弾いていましたね。

――そんな打楽器中心の少年が、どうやってロックバンドでボーカル&ギターをやることになったのでしょうか?

そこは自分でも不思議で、運命という他にないんです。中学生になり、友人と音を合わせることが楽しくなって、コピーバンドを始めました。バンドでしか昇華できない音楽表現の衝動に素直に従い、単純に気持ちよかった。一方、頭を使う作業も好きで、論理的にコンセプトを詰めていくところもあるんですけどね。ただ、結局ステージに立ってしまえば、気づいたら予想してなかったことをしている、まるで客観的じゃない自分が現れたりする。時間をかけて積み上げたコンセプトがあっても、それを突き抜けて衝動的な側面も受け入れてくれるのが、僕にとって音楽表現の本質だと考えています。

――愛用されているエピフォン・ソレントとの出会いはいつ頃だったのでしょうか?

Yogee New Wavesを始めた大学生の頃です。1962年仕様の復刻モデルで、約10年間レコーディングやライブで僕を支えてくれている大切な存在ですね。つい先日、フレットの打ち直しから戻ってきて、今すごく嬉しいんですよ。

 

 

 

[重なるサウンド] このギターでつくった曲を大勢の人が聴いてくれて、僕らは今ここにいる

――なぜソレントを選んだのですか?

箱物のギターを探していたこともあるのですが、一番の決め手はビジュアルですね。バイオリンのような美しい形状に惹かれたのと、パンツを穿いているようなヘッドのデザインがカッコよく、これは誰も持っていないだろうと思いました。もちろん、サウンド面も最高です。フルアコならではのその場で鳴る音の良さと、アンプをつないで出る音のリンクが素晴らしかった。ドラムと同様に、体に伝わる震動がナチュラルに歌と重なるんです。これは箱物ギターの魅力ですね。

――ソレントへのこだわりを教えてください。

今日に至るまで、ヴィンテージにも興味を持っていろんなギターを弾いてきましたが、ソレントじゃないと鳴らない音、僕にしか鳴らせないソレントの音があるんですよね。これは良い楽器とは何かにつながる話になりますが、このソレントは、当時の自分が置かれていた状況や感覚で手に入れることができたものでした。そのギターでつくった曲を大勢の人が聴いてくれて、僕らは今ここにいる。それ以上に求めるものってない気がします。

――今の会話をこのギターが聞いたら喜ぶでしょうね。

そうだといいですね。エピフォンのおもしろいところは、各モデルに名前があるところだとも思っていて。僕も持っているヴィンテージのリビエラを含め、カジノやシェラトンなど、そのままバンド名になりそうなくらいかっこいい機種名ばかりですよね。ソレントはイタリアの地名で、若い女性に人気の映えスポットらしく、ロックバンドとして演奏するにあたって、なんだかセクシーでいいなとも思いました。チャーミングな名前がついていると、どこかワクワクして親近感が湧くじゃないですか。エピフォンを弾くギタリストはこういった名前の影響もあって、ギタープレイが自然と独特になるような気もしています。

 

 

――最近リペアから戻ってきたということは、近々ソレントとステージに上がる予定があるということですね。

はい、楽しみです。バンドサウンドが進化を繰り返す中で、最近のメンバーが強固でマッシブな音だとするなら、僕はあえて同じ土俵に上がらず、柔らかくてよりカッコいい音を出したくなる。このタイミングでまたソレントを弾くことに意味があると思っています。とにかく思い入れの強いギターなので、自分よりもソレントを鳴らせる人がいたら嫉妬してしまうでしょうね。

 

 

 

[夢を受け継ぐ] いつでも弾きたくなるほど愛せる楽器を

――Yogee New Wavesが響かせる音には新世代のシティポップなど、様々な形容がされつつも、根本的にはギターバンドではないかと思っています。バンドにおけるギターサウンドにはどんな思いや狙いがありますか?

おっしゃっていただいたように、僕らにとってギターの音はバンドのアイデンティティそのものです。だから常にギターの音を中心に置いている。ファーストアルバムをつくったときは、いろんなアンプにつないで出る音がどれも違っておもしろくて。当時はその無邪気さを楽しむままにレコーディングをした思い出があります。求めるサウンドはその時々ですね。今欲しい音に近づけるために、毎回ベストを探しています。最新作の『A.Y.A e.p』ではやっと僕らにしか出せない音にたどり着きました。ピックが擦れる音までヤバいんです。その瞬間に鳴った自分の本能的な音まで録音したいという願いがついに叶ったというか。今後はこのレベルアップをさらに突き詰めていきたいと思っています。

――そんな角舘さんのサウンドに惹かれてギターを始めようとする人々に向けて、メッセージをお願いします。

バンドを組まずに家で弾く人も多いと思うので、エレキとアコギのいい塩梅を狙ったフルアコのフレキシブルさはお薦めです。さっと手に取ってすぐに鳴らせるのがいいんですよね。エピフォンは種類が豊富にあるから、自分に合ったギターを探してもらいたい。いつでも弾きたくなるほどに愛せる楽器を選んでください。

 

 

――角舘さんとソレントの関係性は、誰にとっても憧れの的になるかもしれません。

個人的な観点で言えば、ギター単体の価値よりも、どれだけ気持ちの良い音をギターとリンクして奏でられるかに注目しています。それで言うと、ソレントはまさに僕自身のサウンドを奏でることができる。僕にとってギターは入れ物であり、僕はそこに入るもの。この関係性が音楽を生み、その歴史が一番長いのが、僕にとってのソレントだと思っています。できれば、ぜひソレントを再生産してほしい。新品が手に入れば、また思い切り弾けますから。

――愛してやまないソレントと、今年はどんな活動をしたいと考えていますか?

今後はバンドのセカンド全国ツアーも、ソロの弾き語りもありますが、全体的なところで言うとコロナ期間中に考えていたことを全部出したいです。構想はほぼ練り上がっていますし、準備も整いつつある。今は多くを話せませんが、ようやく見えてきたものがあるので、ぜひ楽しみにしていてください!

 

 

Text:田村十七男
Photo:大石隼土

Profile

 

 

角舘健悟 (Yogee New Waves)
1991年生、東京出身。2013年にバンド、Yogee New Wavesを結成、ボーカル/ギターを担当。2014年4月にデビューe.p.『CLIMAX NIGHT e.p.』でデビュー。昨年、4thアルバム『WINDORGAN』をリリース。全国各地の野外フェスの出演やアジアを中心に海外公演を重ねる。バンド活動の傍ら、テレビ番組・TVCMのナレーションなど活動の場を拡げる。2021年5月には装飾を施した自宅から弾き語りライブをYouTube生配信。 2022年7月、ソロツアー“SEVEN TALKS TOUR”を開催。

HP:http://yogeenewwaves.tokyo/
Instagram:https://www.instagram.com/kengokakudate/

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ギターブランドとして世界でアイコン的な存在であるギブソン・ブランズは、創業から120年以上にわたり、ジャンルを越え、何世代にもわたるミュージシャン達や音楽愛好家のサウンドを形作ってきました。1894年に設立され、テネシー州ナッシュヴィルに本社を置き、モンタナ州ボーズマンにアコースティックギターの工場を持つギブソン・ブランズは、ワールドクラスのクラフツマンシップ、伝説的な音楽パートナーシップ、楽器業界の中でもこれまで他の追随を許さない先進的な製品を生み出してきました。ギブソン・ブランズのポートフォリオには、ナンバーワンギターブランドであるギブソンをはじめ、エピフォン、クレイマー、スタインバーガー、ギブソン・プロオーディオのKRK システムなど、最も愛され、有名な音楽ブランドの多くが含まれています。ギブソン・ブランズは、何世代にもわたって音楽愛好家がギブソン・ブランズによって形作られた音楽を体験し続けることができるように、品質、革新、卓越したサウンドを実現していきます。

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