#2 田島貴男「心から信頼できるギター、ずっと僕の相棒」

 

創業者ファミリーの故郷・ギリシャで、「共鳴」を意味する言葉にも通じるEpiphone(エピフォン)。創立150周年を迎える2023年、この時代に鳴り響くエピフォンの「サウンド」を伝えるため、数々のエピフォン・プレイヤーが登場する「THE SPECIAL COVERS」を展開します。「共鳴・反響」「重なるサウンド」「夢を受け継ぐ」というブランドテーマに沿ったスペシャルインタビュー。第3回目はアグレッシブな活動で音楽界を牽引し続ける、Original Love田島貴男さんが登場。デビューから30年を超え、昨年は新作『MUSIC, DANCE & LOVE』を発表。近年ではギターの弾き語りによる〈ひとりソウルショー〉でのツアーも積極的に行っている田島さん。そのエネルギッシュでソウルフルな歌には、かつて親友から譲り受けたエピフォンのシェラトン・モデルがずっと寄り添っていました。

 

[共鳴・反響] いろんな音を奏でたい僕にピッタリのギターだった

――2021年にOriginal Loveとしてデビュー30周年を迎えられましたが、長い音楽人生の最初のきっかけとなった、ギターへの興味はどこから始まったのでしょうか?

ギターとの出会いは中学1年生の頃です。中学に入ると洋楽ロック好きの友だちができて、彼らに影響されて自分もエレキギターを弾きたくてしょうがなくなった。親戚の家にあったクラシックギターをもらったのが最初で、今でもそのギターは大切に持っています。そこからお年玉を貯めて初めてのエレキギターを購入して、ドキドキしながら楽器屋さんから家まで持って帰ったのを覚えています。

――初めてのギターを手に入れてうれしくてしょうがない田島さんの少年時代が目に浮かぶようです。

あの頃、学校帰りに時間があったら必ず楽器屋さんに行っていましたね。夜になったら、布団の周りにギターのパンフレットを山積みにして寝ていましたから。ギターを買ってからは、夕飯の時間も膝の上で練習しながら食べていました。ただ、1年くらいしたらギターを弾くというよりも、曲を作るほうに興味がシフトしていったんです。ギターそのものを改めて好きになったのは、ソロで弾き語りをする〈ひとりソウルショー〉というツアーを始めた40代半ばになってからなので、割と最近のことですね。

 

 

――田島さんの代名詞とも言えるSheraton(シェラトン)との出会いはいつ頃、どんなきっかけだったのですか?

このシェラトンは、高校時代の親友が持っていたギターなんです。10代の終わり頃、僕がバンドで使っていたギターの状態が悪くなってきて、ライブ用に親友のエピフォンを借りることになったのがきっかけでした。僕が何回も、しかも長期間彼からこのシェラトンを借りるので、「お前が持っているギターとトレードしよう」ということになり、僕の持っていたギターと交換したんです。彼はシェラトンを、ジョン・レノンが使っていたカジノみたいに弾きたいと思っていたのかもしれませんが、ブルースやジャズも弾ける渋いギターだと分かっていたのかな?いずれにせよ、僕がその後30年に渡ってこのギターを使い込むとは思っていなかったでしょうね。

――それが田島さんにとって長年の愛器になったわけですが、シェラトンのどういったところがご自身と共鳴したのでしょうか?

僕は当時からいろんなジャンルの音楽を奏でたい思いが強かったので、そういう柔軟な使い方にシェラトンの響きが合っていたんですよ。ロックギター的な音だけではなく、ファンキーな音も出るし、ジャズギターのようにマイルドな音も出る。自分のやりたい音楽性にマッチしていたから、これだけ長い間弾き続けてきたのだと思います。それに、このギターを交換した親友が30代で亡くなってしまったんです。今でも僕と親友を繋げてくれるのはこのシェラトンなので、ずっとこいつを愛でていたいという思いがあるのかもしれないですね。

 

 

[重なるサウンド] 年齢を重ねた自分とマッチするヴィンテージ感

――モデルとしては、田島さんが10代だった当時(80年代後半)の現行品ですよね。

そうです。ただ、音は当時より今の方が良い音がすると感じています。最初は、もっと若々しくて新しい音がしていましたが、今はエイジングされてヴィンテージのような渋い音が出ます。僕も40歳過ぎてから、ジャズやブルースを弾く方法がわかるようになってきて、この使い込まれた楽器独特のトーンがすごく心地良いですね。かれこれ30年以上このギターを弾いてきたので、僕自身の体がシェラトンに馴染んでいったような気もします。

――レコーディングでもライブでも、数え切れないくらいの現場で使われていますよね。

僕の音楽人生の中で、最もレコーディングで使用したギターはシェラトンなので、どの曲で弾いていたのかもはっきり思い出せないくらいです。ファースト・アルバム『LOVE! LOVE! LOVE!』(1991年)でもすごく使いました。その後、『風の歌を聴け』(1994年)の頃はほかのギターを使用していたのですが、やはりエピフォンに戻って、最近はまたずっとシェラトンを弾いています。結局、こいつに戻ってくるんですよね。

 

 

――音色の変化が田島さんの多様性のある音楽スタイルに合っているということでしたが、ギター本体の使い心地も重要なポイントでしょうか?

そうですね。シェラトンはとにかく丈夫なんですよ。軽くて使いやすいし、長時間演奏していても疲れない。ギターを背中に担ぐなど、かなり荒っぽい弾き方をすることも多いのですが、「どんなことをしてもこいつは壊れない」という絶対的な安心感があります。今までライブ中に音が出なくなったことなんて一度もないですから。心から信頼できるギターであり、ずっと僕の相棒ですね。

――長く使い続けて、まだまだ新しい発見もありますか?

僕の大好きなブルースマンで、やはりエピフォンを使っていたジョン・リー・フッカーという人物がいるんですけど、まだこのギターを彼みたいに指で弾いたことがないんですよ。彼はブルースとロックのちょうど中間にいて、1人でロックンロールをやっていたような偉大な存在。僕の〈ひとりソウルショー〉の原型ともいえます。彼が指ではじくようにエピフォンを弾くと、パキーンという素晴らしい音がするんですよね。あの音を聴くと、まだまだ僕はこのギターを完全には使えていないのかもしれないと思うんです。ジョン・リー・フッカーの技術はもちろん、エピフォンの奥深さを強く感じますね。

 

 

 

[夢を受け継ぐ] 演奏者とエピフォンの「個性」が交わり、楽曲が生まれる

――田島さんから見たジョン・リー・フッカーのように、今後も若い世代がエピフォンのギターに憧れを抱いていくのだと思います。

自分が知らない若い世代のバンドでも、エピフォンを使っているメンバーを見つけると「おや?」と気になるんですよね。どんな音楽をやっているのか、聴いてみたくなる。数あるギターの中からエピフォンを選択するというセンスや思考に、自分と近いものを感じるというか。「わかってるな、ちょっと一味違うものを選んでるのだな」と感じるんです。逆に、若い人たちが僕のシェラトンに興味を持ってくれるのもうれしいです。どんなギターを選択するのかで、アーティストの大事なカラーが決まることだってありますから。

――エピフォンが繋ぐ縁を感じられるのもおもしろいですね。

エピフォンはこれまで常に実験的なことをしてきた歴史があるじゃないですか。過去のモデルでも、ピックアップやツマミの数から配置まで、常識に捉われない冒険的なアイディアを試してきた。そういう新しい試みが、僕らをワクワクさせてくれるのだと思います。

 

 

――これからエピフォンを弾いてみたいと思っている人たち、あるいはエピフォンを使っている若いミュージシャンたちへ、メッセージをいただけますか。

自分で楽曲を作るのであれば、エピフォンのギターはとても相性が良いと思っています。エピフォンのように少しビザールなギターが持つ個性と、演奏者自体の個性が交わることで、楽曲の解像度を上げてくれることがあるんです。エピフォンには音と人の相乗効果を高める力があると思うから、みんな魅力的な楽曲をどんどん作っていってほしいですね。

――最後に今後の活動について教えてください。

今年の2月から〈弾き語りツアー2023〉の全国ツアーを行っています(4月2日、東京国際フォーラム・ホールCまで)。そのあとは、去年Original Loveで出したニューアルバム『MUSIC, DANCE & LOVE』のツアーを全国6都市で開催します(5/14、Zepp Sapporo〜7/17、昭和女子大学人見記念講堂)。このツアーのメンバーとは、やればやるほどグルーヴが増していくので楽しいですね。ファンキーでグルーヴィーな、素敵な時間になると思いますので、ぜひ皆さんお越しください。

――今年もエピフォンのギターが大活躍するわけですね。

もちろん。とびきりの愛着がありますから、こいつには。

 

 

Text:松永良平
Photo:横山マサト

Profile

 

 

田島貴男(Original Love)
1987年、田島貴男を中心とする 前身バンド“レッドカーテン”から“Original Love”に改名しOriginal Loveとしてのキャリアがスタート。1991年Original Loveとしてアルバム『LOVE! LOVE! & LOVE!』でデビュー。代表作としてシングル『接吻』(93年)、アルバム『風の歌を聴け(94年)』など。2022年発売20作目の最新アルバム『MUSIC, DANCE & LOVE』(オリコンウイークリーチャート初登場13位)は、佐野康夫(、小松秀行、河合代介など強力にファンキーなリズム隊を従え、ストレートな社会的メッセージを打ち出した歌詞を含む、現代のニューソウル的な作品が話題となり、2022年度CDショップ大賞にノミネートされる。バンドでの表現以外に、2011年頃より田島貴男がひとりでフット・タンバリン、フット・ストンプ、リゾネーターギターのボディヒットなどを駆使して行う「ひとりソウルショウ」や”弾き語り”での独自の表現で新機軸を見せ、数々のフェスやイベントへ出演するようになる。2021年、コロナ禍にありながら弾き語りツアーや"ひとりソウルショウ"での全国ツアーを敢行、プライベートスタジオからの配信ライブなども積極的に行い、ひとりでのライブ楽曲を収録した初のアルバム「骨tone BLUES」を発売。2022年、Original LoveとしてフジロックフェスティバルGREEN STAGEに出演し、田島貴男としてもピラミッドガーデンに出演。大いに盛り上がるなどしており、近年さらなる活躍を見せている。

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ギブソンについて

ギターブランドとして世界でアイコン的な存在であるギブソン・ブランズは、創業から120年以上にわたり、ジャンルを越え、何世代にもわたるミュージシャン達や音楽愛好家のサウンドを形作ってきました。1894年に設立され、テネシー州ナッシュヴィルに本社を置き、モンタナ州ボーズマンにアコースティックギターの工場を持つギブソン・ブランズは、ワールドクラスのクラフツマンシップ、伝説的な音楽パートナーシップ、楽器業界の中でもこれまで他の追随を許さない先進的な製品を生み出してきました。ギブソン・ブランズのポートフォリオには、ナンバーワンギターブランドであるギブソンをはじめ、エピフォン、クレイマー、スタインバーガー、ギブソン・プロオーディオのKRK システムなど、最も愛され、有名な音楽ブランドの多くが含まれています。ギブソン・ブランズは、何世代にもわたって音楽愛好家がギブソン・ブランズによって形作られた音楽を体験し続けることができるように、品質、革新、卓越したサウンドを実現していきます。

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