
創業者ファミリーの故郷・ギリシャで、「共鳴」を意味する言葉にも通じるEpiphone(エピフォン)。創立150周年を迎える2023年、この時代に鳴り響くエピフォンの「サウンド」を伝えるため、数々のエピフォン・プレイヤーが登場する「THE SPECIAL COVERS」を展開します。「共鳴・反響」「重なるサウンド」「夢を受け継ぐ」というブランドテーマに沿ったスペシャルインタビュー。第2回目は、My Hair is Badのギター&ボーカル、椎木知仁さんが登場。3ピースロックバンドでレスポールを弾きながら歌う個性的なスタイルは、人生初のギターにエピフォンを選んだ出会いから始まりました。
[共鳴・反響]いっしょに身を削る時間を過ごしたギター
――初めて自分で手に入れたギターがエピフォンと聞きました。その経緯を教えてもらえますか。
中学3年生で高校受験が終わった頃、当時住んでいた新潟から両親と一緒に東京に来て、父と向かった楽器屋で1959レスポール・スタンダードのチェリーサンバーストを選びました。貯めていたお年玉を全部使い果たして。と言っても中学生なので高が知れていましたが、それでも10代の自分にはかなり大きな買い物でした。
――椎木さんと言えば、My Hair is Badでレスポールを弾きながら歌う姿が印象的ですが、最初のギターですでにレスポールだったんですね。
レスポールに直接的な衝撃を受けたのは、中学2年生で見たELLEGARDENのライブ映像でした。ボーカルの細美武士さんがレスポールを弾きながら歌っている姿がとてもカッコよくて、「このギターは何だ?自分が買うならこれ以外にない」と思いました。

――それが椎木さんの音楽ルーツ?
少しさかのぼると、小学生のときに初めて買ったCDがKICK THE CAN CREWで、無性にバンドサウンドに惹かれていったのを覚えています。最初に触れたギターは友だちの家にあったもので、それがバンドとギターのイメージが直結する最初のきっかけでした。その後ELLEGARDENを見て完全にスイッチが入って、レスポールを持てば憧れのバンドが組めるんだと、そういう考えしかなかったですね。高校で軽音部に入ったのも、音楽よりバンドをやりたい気持ちのほうが強かったくらいですから。
――初めて手にしたエピフォンのレスポールはどれくらい使いましたか?
プロとしてデビューするまでずっと使い続けました。バンド結成から7年間、それが唯一の相棒で、いっしょに身を削る時間を過ごしたギターです。正直、エピフォンでプロの世界に入れると思っていなかったので、レーベルの人に「大丈夫だ」って言ってもらえたことが誰よりもうれしかった。

――その当時のエピフォン・レスポールは今も手元に?
今もたまに弾いていますよ。ライブでは使わないんですが、家でふと弾く相手がずっとこのギターで、身体に馴染む感覚はこのレスポールだけ特別。自分にとって一番価値のあるギターだと思っています。
[重なるサウンド]あえてレスポールで歌う矛盾にこそ
――レスポールに焦点を絞ってお聞きします。この形にこだわる理由とは?
細美さんへの憧れがMy Hair is Badの活動につながっていって、あるときレスポールを弾きながら歌うJロックの3ピースバンドが他にいないことに気がついたんです。ボーカルがギターを弾くなら別の楽器のほうが妥当かもしれない。けど、あえてレスポールで歌う矛盾にこそ僕らならではの強さや厚みが表現できると思っているんです。だからこそ、My Hair is Badのライブではレスポールを圧倒的な中心に据えています。

エピフォン・レスポール・スタンダード 50s (https://www.epiphone.com/ja-JP/Electric-Guitar/EPI8IH60/Vintage-Sunburst)
――新たな楽器を使うようになってから、エピフォンとの関係はいかがでしたか?
初のフルアルバム制作中、信頼しているテックさんがエピフォンのアコースティックギターであるハミングバードを用意してくれたんです。僕が伝えたイメージをもとにサウンドだけで選んでくれて、これがとてもよかった。1弦から6弦まですべての音が聞こえる感じが、そのとき取り組んでいた楽曲に自然と馴染みました。
――やはりプロになれば、レコーディングではイメージに合った楽器を使いますよね。
実はデビューしてしばらく経っても、ライブで使っているギター以外でレコーディングしてもいいことを知らなかったんです。他のギターを使ってもいいんだとわかって、テックさんと相談していろんなモデルを弾かせてもらった中では、あのハミングバードがとても思い出深いですね。

――いつかエピフォンのアコースティックギターをライブで使う日が来るかもしれませんか?
それはすごくいいですね。楽曲の雰囲気次第でライブの一場面にアコースティックを入れることがあるので、そのときにハミングバードが目に浮かぶかもしれません。あの音を思い出すと、あり得ないことじゃないなと。
[夢を受け継ぐ]始めようとしなくても始まることがある
――My Hair is Badの結成から15年。2023年2月には、ツアーの最後を飾る5年ぶりの武道館ライブも行いました。ここまで来ると、椎木さんに憧れてギターやバンドを始める若い世代が出てくるでしょうね。
今はSNSでつながることができるので、実際に若い世代の人からよくメッセージが届くんです。「レスポール買っちゃいました」って画像付きで。
――影響力、ありますね。
うれしいです。ありがたいです。いい影響を与えられたらいいけれど、だからと言って僕が中学2年生だったときの細美さんに今の自分がなれているとはとても思えないし、影響力なんてまるで実感がありません。自分のこと、あまり褒めない性質ですから。ただ、カッコ悪い姿は見せられないなって思いは年々強くなっていきますけれど。
――椎木さんからはもっと強いメッセージを発してほしいファンが多いと思いますよ。
すべては自分の力を越えた縁だと思っているんです。夢を抱いて何かを始めようとしても始まらない場合があれば、始めようとしなくても始まることがある。僕は偶然いろんな人と出会えて今ここにいるだけで、たまたまそこにエピフォンのレスポールがあったんです。

――椎木さんが15歳でエピフォンのレスポールを手にしてバンドを始めたように?
それはあくまで個人の体験ですけれど、僕の中でエピフォンのイメージはずっと変わっていないんです。もちろんギター自体はどんどん進化していきますが、いつも誰かの一番最初を支えてくれるのがエピフォンなんじゃないかと。自分がバンドを始めた当初も、エピフォンのレスポールやSGを持っていた同世代は多かったし、それは今も受け継がれているんじゃないでしょうか。
――そんなエピフォンの支えから始まった活動を現在の形にした体現者が椎木さんですよね?
そうかもしれません。自分の体験を押し付ける気はありませんが、初めてのギターがフジロックのステージまで連れていってくれたのは事実ですからね。やっぱり縁という他にないと思います。

――先にも触れたように、すでに5年ぶりの武道館ライブを終えた2023年はどんな活動を行っていきますか?
春からライブの予定もありますが、今年は制作に力を入れようと思っています。特別な目標を持つとしたら、30歳を過ぎてパスポートを取ったので、バンドで海外に行きたいですね。台湾やオーストラリアで僕らの音楽を聴いてくれている人が多いので、まずは近場から攻めていければ。
――そしてどこでもレスポールを持つ?
それは3ピースバンドMy Hair is Badのアイデンティティなので、ライブでレスポールが欠かせません。それに、もっとレスポールが似合うようになっていきたいんですよね。けれどライブ以外の制作現場などでは、それこそエピフォンのハミングバードなど、いろんなギターに触れていきたい。曲の主人公や景色や空気感に合う音を探しながら。新しいギターとの出会いを楽しみにしています。

Text:田村十七男
Photo:横山マサト
Profile
椎木知仁(My Hair is Bad)
新潟県上越市にて2008年に結成された3ピースロックバンド・My Hair is Badでボーカル&ギターを担当。1992年生まれ。2013年に1st mini album「昨日になりたくて」で全国デビュー。その後レーベルの社風で年間100本以上のライブを続ける。2016年のメジャーデビュー後はさいたまスーパーアリーナ、日本武道館等での大規模公演も敢行しながら、地方を含めたライブ活動も精力的に行っている。2023年2月に5年ぶりとなる日本武道館公演を開催した。
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