SG Chronicle vol.3
SGのベーシック・モデルとなるSGスタンダードが、各年代に合わせて進化してきたSGの現在の姿。1966年に採用されたラージ・ピックガードにチューン "O" マティック・ブリッジ/ストップ・バー・テイルピースといった構成で、SGならではのミッド・レンジを際立たせるアルニコIIマグネット仕様の490ハムバッカーが採用されている。2つのP-90ピックアップが搭載されているのがSGスペシャル。バウンド加工されたフィンガーボードにドットマーク・ポジション、そしてラップアラウンド・バー・ブリッジ仕様であることも特徴となる。最もシンプルなSGとして知られるのがブリッジ・ポジションにP-90がマウントされたSGジュニア。独自のピックガードやバインディング加工の無いドット・ポジションマークというプレーンな外観も魅力になっている。
SGの持つイメージをそのまま残しながらタフさを加えたのがSGトリビュート。一般的なSGのネック/ボディはマホガニー製だが、このモデルではマット・フィニッシュのマホガニー・ボディに強度の高いメイプル製のネックが組み合わされ、2つの490ハムバッカーがカバーを外したオープン・スタイルで組み込まれている。
SGの最新スタイルといえるのがSGモダーンである。マホガニー・ボディの表面にフレイム・メイプルを配した2層レイヤード構造になっていて、P-90トーンへと切り替えることができる特殊なバーストバッカーが使われている。そして、美しい木目を生かしたブルー、ブラックのトランス・カラーでフィニッシュされている。
SGが登場した1961年の姿を彷彿とさせるSGスタンダード '61は、小型のピックガードに加えて、当時のピックアップ特性を再現したバーストバッカー61ピックアップを搭載。チューン "O" マティック・ブリッジにストップ・バー・テイルピース仕様に加えて、初期モデルに使われたサイドウェイ・バイブローラやマエストロ・ロング・ヴァイブローラという2タイプのヴィブラート付きモデルが用意されている。
トップ・グレードの木材とヒストリック・スペック・ハードウェアで構成されているのがカスタムショップ製のSGモデルである。SG誕生60周年を記念して2021年に発売されたのが1961レスポールSGスタンダードとカスタム。1961年スペックを細部までリアルに復刻したこのシリーズでは、レス・ポールの文字が入れられたトラスロッド・カバーから、ヴィンテージ・スペックを再現したカスタムバッカー・ピックアップ、そしてサイドウェイ・ヴァイブローラといった発売当時の姿やトーンが再現されている。アイボリー・フィニッシュのカスタムは、ブロック・インレイ入りエボニー・フィンガーボード、ゴールド・ハードウェア、サイドウェイ・ヴァイブローラ、3カスタムバッカーの組み合わせ。またカスタムショップからは、ストップ・バー・テイルピース仕様の1961年型モデル、そしてマエストロ・ロング・ヴァイブローラが搭載された1964年型SGスタンダードと1963年型レスポールSG・カスタム、更にはリアルなスペックを追求した1963年型のスペシャル、ジュニアのヒストリック・モデルも用意されている。
ヴィンテージ・モデルに加えて、新世代へ向けたSGカスタム・2ピックアップでは、490/498という2つの高出力ハムバッカーを搭載、グローバー・チューナーにチューン "O" マティック/ストップ・バー・テイルピースという実用的なハードウェアで構成されている。
マーフィー・ラボ・コレクションは、カスタムショップのヒストリック・モデルにラボ専用のラッカーを使って作られるヴィンテージ・カラー、加えて4段階のエイジド加工が施された限定モデルである。少数ロットで製作されるマーフィー・ラボからは、経年変化で退色が進んだチェリー、淡いメタリックのペルハム・ブルーにマエストロ・ロング・ヴァイブローラ、そしてカスタムバッカーを組み合わせた1964年型SGスタンダードが復刻されている。また3ハムバッカーにマエストロ・ヴァイブローラ、ホワイト・フィニッシュの1963年代レスポールSG カスタムや、小型ピックガードに2つのP-90ピックアップがマウントされた1963年型SGスペシャルをホワイトでフィニッシュしたレアなヴィンテージ・モデルらがラインナップされている。