SG Chronicle vol.2

2022.05.27 - RIFF n' VOICES

ギブソン SGがギタリストの愛用ギターとして注目を浴びたのは、やはり60年代後半にイギリスで起こったブルース・ロック・ブームである。ジョージ・ハリスンは、ザ・ビートルズ・サウンドが大きく進化した『リボルバー』(1966)にSGスタンダードを使用したことが知られているが、SGがヘヴィなドライヴ・サウンドと共にロック・ギターの代名詞となったのは、1966-68年にかけて活動したザ・クリームのエリック・クラプトンと彼のフール・ペイントが施されたSGスタンダードではないだろうか。

60'sロックの象徴に1969に開催されたウッドストック・フェスティヴァルがある。このコンサートに出演した多くのギタリスト達は、SGやES-335といったギブソン・ギター使って圧倒的なドライヴ・サウンドを生み出していた。豊かなトーン・ニュアンスを求めてザ・フーのピート・タウンゼンドとカルロス・サンタナが手にしたのがP-90ピックアップが搭載されたSG スペシャル。より深いドライヴを生み出すラージ・ハムバッカーが使われているSG スタンダードをコンサートで使っていたのがグレイトフル・デッドのジェリー・ガルシアである。同時期には、多くのステージでSGが定番ギターとして活躍している。ジャニス・ジョプリン/コズミック・ブルース・バンドのサム・アンドリュー、そしてザ・ドアーズのロビー・クリーガー、オールマン・ブラザーズ・バンドのデュアン・オールマンやディッキー・ベッツもレスポールと共にSGスタンダードを使用、更にはジミ・ヘンドリックスもフライング Vと共にホワイトのSG カスタムを使用したことが知られている。

ミック・テイラーのザ・ローリング・ストーンズでのデビューを飾った1970年のマディソン・スクエア・ガーデンもまたSG スタンダードだった。70年代のロック・ギタリストでは、AC/DCのアンガス・ヤングを筆頭に、ブラック・サバスのトニー・アイオミ、フランク・ザッパといったビックネームに加えて、レスポールやES-335を使うギタリスト達にとっても、SGは魅力的なバリエーション・モデルとして使われた。近年では、新世代のブルース・ギタリストと呼ばれるデレク・トラックスから、ポール・ウェラー、そしてポール・マッカートニーのサポート・ギタリストとして知られるブライアン・レイ、ヒップ・ホップ・グループ“ルーツ”のカーク・ダグラスといった幅広いミュージシャン達がSGモデルを愛用している。

 

文:關野淳
大手楽器店、リペア・ショップを経て、現在は楽器誌、音楽誌で豊富な知見に基づく執筆を行うヴィンテージ・エキスパート&ライター。

RIFF n' VOICES of SG lovers

ソリッド・ギターの代名詞、
ギブソンSGの魅力を紐解くプロジェクト。