エクスプローラーとともに称賛される10人のギタリスト
今回はGibson.comによるアーカイヴ記事(2017年2月当時)をお届けします。
にわかに信じがたいことですが、ギブソン社がエクスプローラーモデルを近未来的なラインナップとして導入以来、既に約60年もの月日が経過しています。更に驚くべきことは、エクスプローラーの過激なデザインは相変わらず、現代においても今なお際立って独創的であり続けているということです。2017年モデルでは、ギブソン社はプレイヤーの皆様が存分に吟味いただけるよう、2種類のエクスプローラーモデルをご用意しています。 オリジナル生産された頃のエクスプローラーのイメージに沿って製作された Traditional (T) model と、最新版として演奏性を追及し現代的なサウンド特性をオリジナルのエクスプローラーに盛り込んだ High Performance (HP) model の2機種です。もちろん、エクスプローラーを不朽の名作たらしめる、特徴的なパワーとサスティンについてはそのままの状態を保ち変更点はありません。以下では、エクスプローラーと切っても切り離せない関係にある10人の偉大なるプレイヤーの横顔に触れてまいります。
Gary Moore
今は亡き偉大なるギタリスト、ゲイリー・ムーア。彼にはエクスプローラーに対して熱烈な想いがありました。ソロ活動後期を通じてエクスプローラーは彼の使用機材の中でメイン機でした。彼のあの有名なホワイトカラーのエクスプローラーが2003年の作品、 Live at Monsters of Rock(DVD映像作品も含む)で ひときわフィーチャーされているのは偶然ではありません。そのライヴや他の作品を通して、エクスプローラーはいかに守備範囲の広いギターになり得るのかということをムーアは実践してみせたのです。
Lzzy Hale
HalestormのLzzy Hale。自身のシグネチャーモデルのエクスプローラーを低く構えバンド全体を牽引する光景は実に魅力的です。Guitar.comとのインタビューの中で、彼女はエクスプローラーへ寄せる愛着ぶりを明かしました。“とても弾き心地がよいのよ” とコメントしこう続けました。“バランスも最高だと思うの。それにコンサート会場の後方からだってオーディエンスははっきりと認識できるギターなのよね。その点も最高だわ。手にしてみたら本当にしっくりくるしね”
Eric Clapton
エクスプローラーの話が出るとき、エリック・クラプトンは必ずしも最初に連想されるギタリストではありません。しかしながら“Slowhand(クラプトンの愛称)”は実際に、低音弦側のボディを小型化した’58コリーナモデルをプレイしていました。クラプトンは元々あのギターはギブソンのプロトタイプ(試作品)だと思っていたという説とともに、いかにしてあのギターが改造されるに至ったのかについて、様々な噂が溢れています。2001年、ギブソンはこのアイコン的ステータスにあるギターの限定再生産品をリリースしました。加えて、1983年、クラプトンは周知のとおりロンドンのARMS慈善コンサートにて、改造の施されていないエクスプローラーとともにステージに立ちました。
James Hetfield
ジェイムス・へットフィールドは頻繁にエクスプローラーに向き合ってきました。実際、噂によれば、彼は1984年のRide the Lightningから1991年のバンド名をタイトルにした通称 “black”アルバムに至る全アルバムでエクスプローラーを使用してきたようです。彼の所有するエクスプローラーの中で最も有名なのは“So What”や“More Beer”と呼ばれる1984年製の2本であり、それらのニックネームはボディ上に油性マーカーでそのように走り書きされていることに由来します。加えて、“Rusty”と呼ばれるブラックボディにメタルピックガードを擁する1976年製のモデルもメイン機です。
Bill Kelliher
MastodonのBill Kelliherは、ジェイムス・へットフィールドが80年代初期にエクスプローラーをプレイしていたことに影響を受け、エクスプローラーを手にしたいと思うようになりました。“ ‘ジェイムスがエクスプローラーをプレイしていて恰好良いな’と思ったからさ” と後にKelliherはGibson.comに語りこう続けました。“’エクスプローラーを弾きたい!’” 30年の時を経て、Kelliherは自身のシグニチャーモデル、“Golden Axe”ギブソン・エクスプローラーを持つに至ります。“その佇まい、フィーリングの感じ、形状、そして何もかもが堪らないんだ” と語りこう締めくくります。“最高の1本だよ”
The Edge
ジ・エッジの1976年製のエクスプローラーはアイコン的存在です。そのため、彼のギターテクニシャンは数年前、そのギターをツアー機材から引退させるよう、彼を説得したのです。しかしながら、そのギターテクニシャンは以後、U2のギタリスト、ジ・エッジのためにその代役としてふさわしい3本のエクスプローラーを用意したのです。2008年にGuitar World誌とのインタビューの中で、ジ・エッジはこうコメントしました。“最初にエクスプローラーを試した時、本当に良い感じだったんだ。実はそんなに良いだろうとは思ってなかったんだ。ところがそのエクスプローラーは何か訴えかけてくるような感じがしたんだ。エクスプローラーの中には楽曲が宿っているな、と感じたんだ。直ぐにピンと来たね。見た目もサウンドもしっくりきたよ”
Jason Hook
カナダ人ギタリスト、Jason Hook。彼はFive Finger Death Punchでの活動や一級品のセッションワークで激賞されています。エクスプローラーの愛好家であるフックは2013年にシグニチャーモデルがリリースされ、彼の長年の功績が称えられました。“ある時、他のギブソンギターを見ていて
こう考えたんだ。 ‘もしかしたら、エクスプローラーの方がずっと弾き易いんじゃないかとね。ギターのてっぺんはVのようなシェイプになっているからさ” とフックはGibson.comに語りこう続けました。“そんなこともあって、数年前にエクスプローラーをメイン機とするようになったんだ。それ以来、エクスプローラーに首ったけなんだ。本当に気に入っているし、エクスプローラーは一番のお気に入りなんだ”
Allen Collins
レイナード・スキナードの創設者のひとり、アレン・コリンズ。彼はファイアバードとともにキャリアを歩み始めました。しかしながら、今は亡きサザン・ロックの開拓者であったアレンが1976年にエリック・クラプトンから58年製のエクスプローラーを購入した時、アレンのメイン機はエクスプローラーになりました。その時以降ずっと、彼の活動期を通しエクスプローラーが彼が最も頼りにするギターであり続けました。2003年、ギブソンはアレンの最愛のエクスプローラーの復刻モデルを100本のみ限定生産し、コリンズを称賛しました。
Dave Grohl
1995年にフー・ファイターズのデヴューアルバムがリリースされた時、デイヴ・グロールはブラックのスタンダードのエクスプローラーを相棒としました。後に1999年のアルバム、There is Nothing Left to Loseを皮切りに、彼は突如ホワイトカラーのエクスプローラーを使い始めました。是非、フー・ファイターズのライヴ動画をご確認ください。エクスプローラーの収められた彼らのライヴ動画が豊富にあることがお分かりいただけるでしょう。
Matthias Jabs
スコーピオンズの偉大なるギタリスト、マシアス・ヤブス。彼はおよそ40年にもわたりエクスプローラーの美点に惚れこんできました。80年代後半、マシアスとギブソンはタッグを組み“Explorer 90”を共同開発しました。そのモデル名の由来は、スタンダードなエクスプローラーよりも10%分小振りにデザインされていることによります。2007年のUltimate Guitar誌 とのインタビューでヤブスは、彼のエクスプローラーを飾り立てている、トレードマークのストライプ模様について解説しました。“1979年の初の米国ツアーの時、ホワイトカラーのエクスプローラー一本しか持ってなかったんだ” と語りこう続けました。“ [もう一本を手に入れたとき]、一本じゃなく複数本を所有していることを聴衆にアピールしたかったんだ。だから、粘着テープを二本線のストライプになるようギターのボディ上に貼り付けたんだけど、それが今となっては皆に知られるようになりトレードマークになっていったんだ”
ギブソンについて
ギターブランドとして世界でアイコン的な存在であるギブソン・ブランズは、創業から120年以上にわたり、ジャンルを越え、何世代にもわたるミュージシャン達や音楽愛好家のサウンドを形作ってきました。1894年に設立され、テネシー州ナッシュヴィルに本社を置き、モンタナ州ボーズマンにアコースティックギターの工場を持つギブソン・ブランズは、ワールドクラスのクラフツマンシップ、伝説的な音楽パートナーシップ、楽器業界の中でもこれまで他の追随を許さない先進的な製品を生み出してきました。ギブソン・ブランズのポートフォリオには、ナンバーワンギターブランドであるギブソンをはじめ、エピフォン、クレイマー、スタインバーガー、ギブソン・プロオーディオのKRK システムなど、最も愛され、有名な音楽ブランドの多くが含まれています。ギブソン・ブランズは、何世代にもわたって音楽愛好家がギブソン・ブランズによって形作られた音楽を体験し続けることができるように、品質、革新、卓越したサウンドを実現していきます。