Gibson EB Bassを操る10人の偉大なベーシスト
今回はGibson.comによるアーカイヴ記事(2017年2月当時)をお届けします。1950年代の後半に登場したギブソンEBベース。その暖か味のある独特なトーンと並外れた演奏性の高さで、長きにわたり人気を博しています。2017年モデルでのEBベースモデルはその伝統を受け継ぎつつ、パワー、パンチ、明瞭さを追及するあらゆるベースプレイヤーに対して、現代的なルックスと優れた演奏性を提供しています。2017 Gibson EB bassラインナップは4弦と5弦の両バージョンから構成され、このアイコン的存在の血筋を持つモデルに相応しいラインナップとなっています。以下では、Gibson EBベースと切っても切り離せない関係にある10人の著名なベースプレイヤーの横顔に触れていきます。
Jack Bruce (Cream)
Gibson EB-3を深く愛したベーシストで、クリーム時代のジャック・ブルース以上に知られた存在はいないでしょう。ローリングストーン誌がかつて適切に指摘したことによると、ほとんどのミュージシャンはエリック・クラプトンやジンジャー・ベイカーが同じバンドにいたら自分自身の存在感を際立たせることは難しいだろう、ということです。しかし、ジャックの天賦の才はそれをいとも簡単にやってのけたのです。 “私は自分のことをとても実験的で多様性のあるミュージシャンだと思っています。但し、始終、斬新的になりすぎる事はない程度でね” とブルースはかつてRock Cellar 誌に語りこう続けました。“それが自分が上手くいった秘訣かな”
Dennis Dunaway (Alice Cooper)
アリス・クーパー・バンドの70年代初期の作品群まで遡ってみましょう。同バンドの著しい数の楽曲のほとんどについて、記憶に残るような印象深いベースラインから楽曲が始まっている事実を発見することでしょう。ベーシストであるDennis Dunawayの計り知れないほどの才能やメロディ・センスを考えれば、まったく驚くべきことではありません。Dunaway所有のオリジナルのGibson EB-0は、”Love It to Death” のアルバムの裏ジャケットで確認できますが、そのベースは現在、ロックンロールホールオブフェイムに収蔵されています。“我々はあのベースを ‘Frog’と呼んでいたんだ” とDunawayはライターのGail Worleyに話しこう続けました。“私はあのベースをメタリックグリーンにペイントしたんだ。昔はよくモデルカーを自作していてその色がお気に入りだったからさ”
Bill Wyman (The Rolling Stones)
今は亡き偉大なプロデューサー、Jim Dickinson。彼はひょんなことからローンリングストーンズの“Wild Horses” でピアノを弾きましたが、Bill Wymanの大ファンだったことが窺えます。“ワイマンのベースパートは作曲的ですね” と評し、ワイマンがバンドを離れて数年たった頃、よくこのような話をしていました。“いまストーンズで誰がベースをプレイしようとも、当時作曲されたときと同様のラインを弾くべきなのさ” EB-3を巧みに操りながら、ワイマンはストーンズの名曲の数々をまとめ上げるのに不可欠な基盤を創造しました。“ワイマンは間違いなくストーンズの作品にとって極めて重要な存在だね” とディッキンソンは適切にコメントしました。
Andy Fraser (Free)
フリーの設立メンバーであるアンディ・フレイザーがクラシックロックの定番曲である“All Right Now”を含む数々のヒット作を共作したとき、まだ15歳という若さでありその早熟ぶりが窺えます。フレイザーはまた、多くのロックファンから見ても全時代を通して最高のベースプレイヤーのひとりなのです。彼のGibson EB-3に対する愛情は疑う余地もありません。“私は即座にEB-3に慣れ親しんだんだ” と彼はかつて語りこう続けました。“ベースプレイヤーはEB-3から様々な種類のトーンを得ることが出来るだろうね。私の場合はGibson EB-3と本当にひとつになれたんだ”
Trevor Bolder (David Bowie, Uriah Heep)
ディヴィッド・ボウイのジギー期のバンド、“Spiders from Mars”でTrevor Bolderが果たした役割は非常に重要です。BolderはショートスケールのEB-3を用い、趣味良く紡ぎだされたベースラインにうってつけの最高のトーンを生み出し、そのベースラインは70年代初期のボウイのアルバムの根底を流れボウイをスターダムへ押し上げるのに一役買いました。EB-3を用いたBolderのベースは、ライヴの状況下では更に冒険的になっていき、1983年公開作品、Ziggy Stardust and the Spiders from Mars—The Motion Pictureでははっきりとその模様がみてとれます。
Chris White (The Zombies)
ベーシストのChris Whiteは誰でも知っている有名人ではないかもしれません。しかし、クラシックロックのリスナーであれば、知らず知らずのうちに彼の手腕に触れていることでしょう。Rod Argentと並び、ホワイトはZombiesを突き動かす原動力だったのです。1968年のゾンビーズの傑作、Odessey and Oracleでは、実に収録曲の半分以上はホワイト作によるものだったのです。数年後、ホワイトとArgentは、1972年の傑作、“Hold Your Head Up”を共作しました。ホワイトのお気に入りのベースはというと、まさにEB-3だったのです。
Jermaine Jackson (The Jackson 5)
マイケルのお兄さんにあたるジャーメインは、彼自身が驚くべき才能を持つミュージシャンであることを自力で証明してみせました。ジャクソン・ファイヴの主要メンバーである彼は、初期の数え切れないほどのヴィデオクリップにてGibson EB-3を操っていることが確認できます。ジャクソン・ファイヴを離れた後も、ジャーメインはモータウンに留まりました。そして後に彼の1980年のアルバム、 Let’s Get Seriousにより、グラミー賞にノミネートされました。他のアーティストのプロデュースにおいても彼の手腕は高く賞賛されています。
Jim Lea (Slade)
Jim Leaは単にSladeの中で最も完成されたミュージシャンということだけではなく、彼はフロントマンのNoddy Holderとともにバンド内での主要なソングライターだったのです。Gibson EB-0を手にキャリアを開始した後、60年代後半にEB-3へと持ち替え、実質的にSladeの定番曲の全てにおいてEB-3を用いました。“Gudbuy T’ Jane”や“Cum on Feel the Noize”のような楽曲の素晴らしさは、Leaの特徴的なトーンに負うところ大なのです。
Mike Watt (The Stooges)
ポスト・パンク期のベーシスト、Mike Wattは、Minutemen、Firehose、その他様々なプロジェクトで見せた手腕により多くの賞賛を勝ち取りました。伝説的パンクバンド、Stoogesの再結成時に見せた彼のベーシストとしての役割により、彼の精力的ミュージシャンとしての高い評価が決定付けられました。彼のGibson EB-3愛について、Flyguitars.comとのインタビューの中でワットはこうコメントしました。“私はギブソンベースの個性が大好きなんだ。そのボディの佇まいがなんともいえないな。カッタウェー部のこの大きな角といい、その軽さといい、たまらないんだ”
Glenn Cornick (Jethro Tull)
プログレロッカー、Jethro Tullの設立時メンバー、Glenn CornickはかつてRolling Stone誌にこう賞賛されました。“グレンはバンドに頑健で敏捷な基礎をもたらしており、それはブルーズに根ざしつつジャズもこなせるリズムセクションなのです” グレンのJethro Tull在籍時、ちょうどその時期に3作のスタジオアルバムが制作されたのですが、グレンは実際に59 EB-0、69 EB-3、EB-2、リヴァース・サンダーバードといった4本のギブソンベースを使用していました。彼は後にこう語りました。“Jethro Tull在籍時にプレイしていた音楽について、ショートスケールのギブソンベースこそがバンドのサウンドにぴったりな豊かでまろやかなトーンを生み出すことが出来たんだ”
ギブソンについて
ギターブランドとして世界でアイコン的な存在であるギブソン・ブランズは、創業から120年以上にわたり、ジャンルを越え、何世代にもわたるミュージシャン達や音楽愛好家のサウンドを形作ってきました。1894年に設立され、テネシー州ナッシュヴィルに本社を置き、モンタナ州ボーズマンにアコースティックギターの工場を持つギブソン・ブランズは、ワールドクラスのクラフツマンシップ、伝説的な音楽パートナーシップ、楽器業界の中でもこれまで他の追随を許さない先進的な製品を生み出してきました。ギブソン・ブランズのポートフォリオには、ナンバーワンギターブランドであるギブソンをはじめ、エピフォン、クレイマー、スタインバーガー、ギブソン・プロオーディオのKRK システムなど、最も愛され、有名な音楽ブランドの多くが含まれています。ギブソン・ブランズは、何世代にもわたって音楽愛好家がギブソン・ブランズによって形作られた音楽を体験し続けることができるように、品質、革新、卓越したサウンドを実現していきます。