INDEX
5月の麦ノ音楽祭から更に盛り上がりを見せていたギブソン・ブース 2日目の最初のステージは力強いボーカルで圧倒した北澤ゆうほ (Q.I.S.) ハミングバードでステージを魅了した吉田崇展 (ズーカラデル) 2日目最終アクト!それぞれのバンドの楽曲を披露し合った村松拓(Nothing‘s Carved In Stone / ABSTRACT MASH /とまとくらぶ)と亀本寛貴 (GLIM SPANKY)文:オカミ・タカヒデ
撮影:Ryoma Kawakami
Supported by instax™ チェキ
屋外音楽フェスにピッタリと言える涼やかな秋の日となった『麦ノ秋音楽祭2024 #Seeds』。迎えた翌10月27日は、前日よりもさらに太陽が存在感を増し、雨予報が嘘のような秋晴れとなった。午前中の早い時間帯から音楽ファンはもちろん、家族やペットと一緒に楽しもうという人たち、キャンプ・ギアを携えた本格派まで、色とりどりの人たちが集まっていた。 もちろん彼らのお目当ては、自然のなかで満喫する上質な音楽とCOEDO BREWERY自慢のビールだ。多くの成人来場者は早くから乾杯をし、アーティストたちが奏でる楽曲にも酔いしれていく。今回は2日目の様子をギブソン・ブースを訪れたお客さんのチェキプリント™と共にレポートする。
5月の麦ノ音楽祭から更に盛り上がりを見せていたギブソン・ブース
前回開催の『麦ノ秋音楽祭2024 #Harvest』より、当フェスを共に盛り上げているのが、世界的ギター・ブランドであるギブソンだ。初日には和田唱(TRICERATOPS)&藤巻亮太、三船雅也(ROTH BART BARON)、水上えみり(なきごと)らが舞台を彩った。そんなステージの横には、最新ギブソン製ギターと、アーティスト所有ギターが展示された「Gibson Station」、そして子どもを対象としたワークショップ・スペースとして「秋のギブソン レスポール型フォトフレーム作り教室」が展開していた。
ギブソン・ステーションでは、エレキ・ギター、アコースティック・ギターともに注目のニューモデルが展示され、来場者は自由に試奏をすることができる。今年登場したブルーベリー・バーストのレスポール・スタジオ、1954年リイシューのレスポール、ES-335、SJ-200、ウクレレ……などなど、普段、楽器店などではなかなか手にする機会の少ないハイエンド・モデルを含め、ブースに集まった来場者が順々に試奏したり手に取って撮影をしたりして楽しんでいたのが印象的だった。当日は愛犬とともに来場した男性は「気軽に弾ける機会が少ないので、気になっていたモデルに触れられて良かったです。なにより、屋外で弾けるのが気持ちいいですね!」と答えてくれた。
1日目、同ブースには和田が自ら貼り付けたというラインストーンのレスポールなど出演ギタリストの愛器も飾られていて、それらを間近で見られるとあり多くのファンがまじまじと見入っていたのだった。
1日目でのパフォーマンス前に藤巻亮太と共に自身のギターの前に映る和田唱
片や今回が初開催となるギブソン主催のワークショップは、中学生以下のキッズを対象とした企画だ。ここではレスポール型の木製ボードに彩色を施し、オリジナルのフォトフレームを作ることができるということで、すべての回が満員になるほどの大盛況。ギブソンのリペアマンであり日頃から児童館などでボランティア活動をするギブソンのプロダクト・テクニシャンが企画した催しで、「子どものクリエイティビティは驚くべきものです。多くの子どもたちにそれを体験してほしい」と語る。未来を担う子どもたちの可能性を応援する、ギブソンの新しい試みと言えるだろう。
2日目の最初のステージは力強いボーカルで圧倒した北澤ゆうほ (Q.I.S.)
太陽が真上にある11時40分、ラガーステージ最初のスペシャル・アクトである北澤ゆうほ(Q.I.S.)が登場! 普段はバンドでの活動が多い彼女だが、本日は「J-45 Custom」を手に弾き語りを披露。熱狂的なファンのレスポンスを受けながら「スプートニク」、「僕等讃歌」など、Q.I.S.やthe peggies、カバーを含めた6曲を演奏した。柔らかなコード・ワークに乗る力強い歌声は、青空の先まで飛んでいくかのようだ。ラストは元気にJ-45をかき鳴らす「TEDDY」で、ファンたちとともに大いに盛り上がったのだった。
圧巻の歌声を会場に響かせた北澤に音楽祭の感想と使用ギターについてコメントをいただいた。
北澤:「すごく気持ちのいい空気で、アットホームな感じも新鮮でとても楽しめました。久しぶりに野外で歌える機会だったので、めちゃめちゃ気持ちよかったです! 普段もJ-45を使っているんですけど、この機種はニューカマーで、ライブで使うのは2回目なんです。ルックスも素晴らしいし、ラインで音を出しても高域の出方がキレイで、自分の楽曲に合った輝き方をしてくれます。今後の弾き語りスタイルの幅にもいい影響を与えてくれると思います!」
ハミングバードでステージを魅了した吉田崇展 (ズーカラデル)
続いて登場したのは、ズーカラデルの吉田崇展だ。今回はバンドでの楽曲を弾き語り用にアレンジしたとのことだったが、1曲目の「輝き」からチェリー・バーストのハミングバードを軽やかにプレイするなど、彼の人間味が溢れる演奏となった。歯切れのいいカッティングと少しハスキーな歌声がマッチした「夢の恋人」も、その切ない歌詞とも相まって、吉田の魅力が表現された一曲だと言えるだろう。MCでは「ひとりでの弾き語りは緊張する」と言っていた彼だが、ハミングバード一本で会場を魅了した素晴らしいステージとなった。
パフォーマンス後に吉田にも感想を尋ねた。
吉田:「お客さんも幅広くて、すごく楽しかったですね! 犬とも目が合うなんて、ほかの音楽祭にはない光景ですよね(笑)。ハミングバードは今回いろいろ試奏させてもらったなかで、一番自分の手にしっくりきたモデルなんです。僕はアコギにキラッとした部分を求めていて、そこがキレイに出てくれながらも、ロー・ミッドのボン!という感じも同時に出てくれる。それがすごくいいんですよ。エレキでは『ES-330』を使っているので、今度はバンドでも出てみたいですね!」
2日目最終アクト!それぞれのバンドの楽曲を披露し合った村松拓(Nothing‘s Carved In Stone / ABSTRACT MASH /とまとくらぶ)と亀本寛貴 (GLIM SPANKY)
陽が落ち始め上着を羽織る頃、当ステージ最後のアクトとなる村松拓(Nothing‘s Carved In Stone / ABSTRACT MASH /とまとくらぶ)と亀本寛貴(GLIM SPANKY)が特別セッションとして登壇。この時間の登場なだけに、まずはコエドビールで乾杯だ。楽屋でも楽器の話をするというふたりは、ステージの上でもギブソンの話に花が咲く。軽快なトークで会場を温めると、村松は「SJ-200」、亀本は「ES-345」を手に演奏が始まった。昨日の和田&藤巻と同じくそれぞれの楽曲をプレイするという趣向で、1曲目の「Shimmer Song」(Nothing’s Carved In Stone)では亀本の単音リフに村松がストロークで合わせ、ロック・チューンをガッチリと支える。
GLIM SPANKYからは「愚か者たち」を披露。エレキ・ギターの登場は同ステージでは初だったこともあり、これまで以上にパワフルなグルーヴを聴かせてくれた。客席からも自然と歓声があがる。そしてラストはふたりも好きだというオアシスの「Live Forever」をカバー。SJ-200をベースにES-345でオブリを入れるシンプルなアレンジだが、ほかの楽器が不要と思えるほど充分なアンサンブルが轟く。歌声も力強く、まさにギブソン・ラガーステージの締めにふさわしいエモーショナルな演奏となったのだった。
見事なギタープレイの演奏を終えた二人に感想を聞いた。
村松:「開放感のあるステージで、ビックリするくらい人もいたので気持ちよかったですね。」
亀本:「どのステージよりもお客さんが近くて、ほとんど生の音を聴いてもらっている状況なのでちょっと緊張はしましたけど、それでこそ出る本質もあったんじゃないかと思います。」
村松:「”Shimmer Song”はけっこう練習したんじゃないの?」
亀本:「アコースティックと一緒に演奏するということで、エレキではどう弾くかけっこう考えてやりましたけど、基本的にはしっかりコピーをしてきました(笑)。」
村松:「一度ふたりで2時間くらいリハに入ったんですけど、やっぱり本番はセッションに近くて、その興奮があるのが楽しいですよね。今日使ったSJ-200はリミテッド・エディションなんですけど、帯域が広くてコード・トーンもバンドに馴染む感じで出るんです。だから僕はとまとくらぶのレコーディングでも使っています。」
亀本:「エレキと一緒に鳴らしても合いますよね。僕のES-345は1971〜72年製で、普段からメインで使っているものです。ES-330も持っているんですけど、アコギとの相性はこっちのほうがいいんですよ。ギブソンのギターは弾くほどに個性が出て、今回のイベントでは、そうやって自分の音楽をギブソンと共に作り上げているミュージシャンがたくさんいましたよね。だから今後、若い世代でギブソンを使う人たちがもっと増えてくれたらいいなと思います。」
村松:「そういう人たちと一緒にやるのもおもしろいね。世代関係なくギブソンを通じてライブができるって最高だよね。」
二人のセッションを通じて、ギブソンのギターがもたらす音楽の奥深さと世代を超えたつながりが改めて感じられた。ギブソンと共に音楽を作り上げる楽しさが、次世代へと受け継がれていく期待に満ちたインタビューとなった。
観客席から二人のパフォーマンスを見ていたGLIM SPANKYボーカル、松尾レミと3ショット
天候にも恵まれ、2日間通して素晴らしい音楽を大自然のなかで堪能することができた『麦ノ秋音楽祭2024 #Seeds』。通常のフル・バンド・セットではないステージング をビールとともに……そんな無二のコンセプトを持ったフェスだけに、毎回楽しみにしている人が多いのも納得である。
この秋に蒔かれた音楽の種は、また次の春に大きく芽吹くことだろう。それを楽しみに、今日も美味しいビールと素敵な音楽に乾杯したい!
麦ノ秋音楽祭2024 #Seedst公式サイト:
https://muginotokiongakusai.jp/2024seeds/
COEDO BREWERY公式サイト:
https://coedobrewery.com/
Q.I.S(北澤ゆうほ)公式サイト:
https://www.kitazawayuho.jp/
ズーカラデル公式サイト:
https://gooutzoo.com/
Nothing's Carved In Stone公式サイト:
https://www.ncis.jp/
GLIM SPANKY公式サイト:
https://www.glimspanky.com/live/
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